◇ Happy birthday!!
「名前って、下の名前で?」
「あぁ。」
え、そんなこと?
なんかもっと恥ずかしいお願いなのかと思って、若干身構えてしまっていた自分を屋上から放り投げてしまいたかった。
随分と太宰に染められてしまったのだろう、目の前の中原くんが凄く純粋で輝いて見えて、それでいて可愛くて仕方がない。
ニヤニヤが止まらない。
未だこちらを向いてくれない中原くんは、どんな表情をしているのだろう。
少し心を落ち着けて、ご希望通りに呼んでみた。
「中也くん。」
「……なまえ。」
あ、私も下の名前で呼ばれるのね。
別に私はなんでもいいのだけれど、太宰や乱歩さんとかにも下の名前で呼ばれているし、別に珍しくもなんともないのに。
なんでだろう、なんだかちょっとだけ、ほんの少しだけ、こそばゆい感じ。
「ふふっ、中也くん。」
「…ンだよ、なまえ。」
漸くちょっと怒った口調ながら、こちらを向いてくれた中原くん…あ、中也くんは、予想通り、真っ赤な顔をしていた。
「お誕生日おめでとう、中也くん。」
2019.05.05*ruka
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*confeito*