◆ Your selfishness
「うん、私は許されると思うよ。常識の範囲内なら。」
"常識の範囲内"と言ったのは、異常なまでの我儘を誕生日に限らず強請ってくる、包帯塗れの彼を思い浮かべてのことだった。
また中原くんの視線だけが、私に向いた。
「聞かせてよ、中原くんの我儘。」
笑いながら言ったら、顔を背けられてしまった。
あれ、何か変なこと言ったかな。
「………名前。」
「え?」
反対側を向いたまま、中原くんが呟いた。
聞き返したが、直ぐには次の言葉は届かず、暫しの沈黙が流れる。
不思議に思っていると、だんだんと中原くんの耳が真っ赤になっていった。
「みょうじは俺のこと、"中原"って呼ぶだろ。」
「うん、そうだね。」
「…名前で呼んでくれよ。」
2019.05.04*ruka
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*confeito*