◇ いつも一緒だから
私は今、少し脳内が混乱している。
状況が把握できなくて、動くことができない。
この右手を掴む、白い学ランの学生は一体誰なのだろうか。
チラリと視線だけを向けると、赤い瞳とぶつかった。
ニコりと人当たりの良い笑顔を向けられる。
白い肌に少し長めの綺麗な青みがかった黒髪。
外国人…ハーフ?
何れにせよ、こんな美男子、私の知り合いにはいません。
「えぇ、と……」
日本語通じるのかな。通じなかったら完全に詰んだ。
私は英語が苦手で会話なんてできないし、他の言語なんて言わずもがな。
でも、なんて話しかければいいのだろう。
良い天気ですね?
否、曇っている。
恰好良いですね?
本心だが、今言うことじゃないな。
何かお困りですか?
これだ…!
「な」
「今日は太宰くんと一緒ではないのですか?」
「へ?」
2019.07.16*ruka
◆ 続
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*confeito*