◆ 密かな決意


「手前ぇは易々と男に触らせ過ぎだ。」

「はい、すみません…」

「もう私以外に上目遣い禁止。莫迦な男なら、それだけでその気になるのだからね。」

「はい、すみません…」

帰り道は只管に反論が許されないお説教を、両隣から弾丸のように浴びせられる。
私はテンプレを読み上げるだけの安価な機械みたいに、同じ言葉を返した。
アヤちゃんとフミちゃんには後で謝りの連絡を入れよう。

「ちょっとなまえ、聞いてるの!?」

「解るまで続けるからな。」

「えぇ…?」

結局、二人のお説教はその日だけでは終わらず、その後数日間に渡って続いた。

もう二度と合コンなんて行かない。


2020.02.01*ruka



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*confeito*