◇ 不審な影


「……何してるの。」

雪が積もった通学路を歩くなまえが、不審な行動をとる人物を見つけ声を掛ける。
その不審人物がよく知る人間だったからだ。

「やァ、なまえ。こんなにも雪が積もったからね、雪達磨を作っているのだよ。」

不審人物改め太宰は意気揚々と答えた。民家の塀上に並ぶ雪達磨を指さしながら。
既に三体の雪達磨が鎮座しており、四体目を作っている最中のようだ。

「これ、敦くんと、織田先生と…風紀委員長の坂口くん?」

「そうとも。中々上手く出来ているだろう?」

確かに中々の出来栄えだった。
なまえは可愛いと笑い、四体目が誰なのか気にしつつ、太宰の横にしゃがみ込んだ。
雪に触れ、何かを作る心算らしい。
朝の通学路に不審な陰が二つに増えた。


2019.03.03*ruka



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*confeito*