◇藍沢 side




ヘリポートに来てヘリを眺めていると、






『お疲れ様です、藍沢先生!』






声をかけられ振り向いたら、砂や煤で汚れた彼女の姿があった。




藍「お疲れ……。










稜」






『ふふ。久々に呼ばれた。』







藍「いつ日本に帰って来たんだ?」









彼女が海外の紛争地域に派遣される国際人道支援医師団に参加してることは知っていた。







『さっき。マンションを探しに散策してたら事故に巻き込まれた』






藍「そうか。まだ、マンション契約してないのか?」






『こっちでの仕事も決まってなかったし。決まるまでホテルに泊まる気でいたからさ。仕事は啓ちゃんに言ったら、ここの救命で働いていいって。だから、3日後から翔北の救命でお世話になります!』







藍「啓ちゃん?橘先生か?」






『そうそう!兄さんの同級生で昔から可愛がってもらってるの。兄さん、覚えてる?』



藍「あぁ、覚えてる。色々と世話になったからな。」



『ところで、耕作は今脳外に居るの?』



藍「あぁ。」



『何で救命離れたの?』



藍「……救命での事は一通り覚えた。今は脳外の方が刺激があっていい。それに、今トロント大のレジデントの話があって。枠は1つ。俺の他に候補があと1人いるんだ。」


『そう。でもさ、症例を稼ぐのに脳外の2人で少ない患者を取り合ってないでさ、


















救命でいろんな脳の症例を独り占めしたら?救命の方がこれからの季節たくさんの患者が来るはずよ?』









稜が、俺を煽るような表情で言ってきたのが分かる。


だけど、俺はこの挑発を交わす術を知らない。