『ふぅ〜。終わった〜』
白「お疲れさまでした。怪我、大丈夫ですか?」
『あ、白石先生。大丈夫ですよ!』
白石が患者の治療を終え初療室を出ると、私服姿の稜が大きく伸びをしていた。腕には多数の擦り傷が伺える。
「あ、いたいた。」
白「橘先生。こちら、先程の患者さんの治療していた・・・」
『神崎です。』
橘「翔北救命部 部長の橘です。今日はほんとに助かりました。」
『いえ、外部の者が出しゃばってしまって……』
橘「あの、時間があればでいいんですが少しお話いいですか?」
『はい。』
橘は稜と屋上へとやってくる。
橘「すまないな。こんなとこまで来てもらって。兄貴は元気してる?」
『はい。たまに連絡とりますが、元気そうですよ。』
橘「大きくなったな(笑)稜。」
橘は急に優し気な顔をして神崎を呼ぶ。
『橘先生・・・いや、啓ちゃん(笑)もう、いい年した大人だよ。私をいつまで子ども扱いするかなー』
橘「すまん、すまん。小さいころから稜を見てきて、まさか自分の職場に救命医になった稜が来るとは思わなかったよ。」
『そんなこと言ってるけどさ、最後に会ったの20歳くらいの時だからね!
あ、優輔は?もう、大きくなった?啓ちゃん……?』
橘「優輔な、今拡張型心筋症で補助人工心臓つけてるんだ…。」
『え……?』
橘「移植待ち。今も翔北に入院してる。環奈も優輔のそばにいるために休職する。」
『啓ちゃん……。大丈夫??』
橘「あぁ。俺は大丈夫だ。」
『嘘つき。ひどい顔、してるよ?作り笑い下手すぎ(笑)』
橘「敵わないな(笑)稜には。」
『家族がさ、患者の立場になるとすごく辛いのわかるよ。義姉さんが植物状態になった時、兄さん患者抱えながら看病して、私の面倒まで見てくれていた。今ならわかる。すべてを犠牲にしても大切な家族を守りたいって思うもの。』
橘「お前も大人になったな……」
『これで分かったでしょ?私も大人になったんだからね!子ども扱いしないでよ!!』
橘「はいはい(笑)でも、そういうこと言っちゃうところが子どもだよ(笑)」
『もう、なんだっていいや(笑)』
その後も他愛のない話をつづけた二人だった。
『ねぇ、啓ちゃん。お願いがあるんだけど』
橘「なんだよ、急に。」
『翔北救命部 部長さんにお願いがあります!私を翔北の救命で雇ってはくれませんか?』
橘「は?」
『実はね、さっき帰国したばかりでさ。日本での就職先決めてなくて……』
橘「稜が良ければ、翔北に来てほしい。人手不足な上、環奈が休職するからフライトドクターが少ない。フェローの育成も手伝ってもらいたい。」
『うん。
ん?
啓ちゃん、私がフライトドクターだったことどこで知ったの?』