Marguerite

身体の変化

 
「呉羽、」
「っ、ん……」

額にキスをされて、頭を撫でながら秀一さんの身体が離れる。熱のこもった呼吸を繰り返しながら、私から離れて服を着る秀一さんを見ていると私の視線に気がついたのだろうか。とりあえず、と言わんばかりに下だけを履いた秀一さんがベッドに腰掛けて私の頭を撫でた。

「眠いなら、先に寝ていいぞ」
「ん……。秀一さんも、一緒がいい」

とりあえずシーツで身体を隠して、秀一さんを見上げる。眠いから先に寝てもいいのだけれど、そういうことをした後に一人で寝るのはちょっと寂しい。秀一さんはフッ、と口角を上げて触れるだけのキスをして、私に腕枕をしながら横になる。

「あぁ、そうだ」
「うん……?」

私の頭を撫でていた秀一さんの手が止まって、声を漏らす。意識が落ちそうなぼんやりとした頭で秀一さんを見ると、視線が交わる。

「下着、そろそろきついんじゃないか?」
「下、着……?」
「あぁ。さっき思ったんだが、きつそうに見えたからな…」
「そう言われたら……」

最近下着をつけたときに胸の肉がちょっと下着の上に乗っていたような気がしなくもない。ハッキリとは、思い出せないけれど。

「…呉羽、」
「ん……?」
「おやすみ、」
「んー……」

ちゅ、とリップ音をさせながら秀一さんが額にキスをして。頭を撫でられるのを感じながら、私は意識は落ちた。

 + + +

「あ、ホントだ」

朝起きて下着を身につけようとして、秀一さんに寝る直前に言われたことを思い出した。下着が小さくないか云々みたいな話しだったかと。そんなことを思いながら下着をつければ、少しばかり下着の上に胸の肉が乗るぐらいになっている。

(にしても……触ったら分かるものなのかな?)

下着の中の胸を触ってみるけれど、自分ではよく分からないのが正直な感想だ。毎日見て触るものだからだろうか。
そんなことを考えながら服を着ていると、扉がノックされる。着替え終わったのと同時にされたそれに返事をして扉を開ければ秀一さんで、着替え終わったか、と小さく呟かれた。

「やっぱり下着変えた方が良さそうですね…?」
「あぁ、確かめてたのか…」
「まぁ、言われたんで…。元の世界ではそんなにポンポン育たなかったんですけどねぇ…」
「……悪い、」
「え?何で秀一さんが謝るん……あ、」

その謝罪の意味に気付いた瞬間、顔に熱が集まる。そうだ、そうだよ。元の世界では学生の頃にこんなに触られることなんてなくて、普通の高校生だった。胸の成長というのは高校生ぐらいで決まってくる、なんて聞いたことがある。今の私の身体は高校生で、女性ホルモンの分泌だって年齢的に活発で。そんなときにそういう行為をしていたら、そりゃあさらに活発にもなるわけで。

「嫌じゃないから、いいんですけど…」
「それは、控えなくてもいいと思ってもいいか?」
「まぁ……」

ぎゅ、と秀一さんに抱きつく。腰を引かれて、秀一さんからも抱き寄せられる。求められるということはそれだけ好かれているということだろうし、別に性欲処理の対象というわけではないと思う。

「ふふっ、でもあんまり成長し過ぎたら秀一さんに下着買ってもらいます」
「入りにくいんだが……」
「秀一さんが育てたんだから、責任取ってくださいよ?」
「善処しよう、」

フッ、と秀一さんが口角を上げながら笑みを浮かべる。釣られるように私も口角を上げて、抱きつく腕の力を強めた。

2016.07.01
prev|201|next
back
ALICE+