『学校が広すぎる』
思わず一人で呟いても虚しく廊下に響くだけだった。資料とかでは見ていたけどまさかこんなに広いとは思わなかった。
どうしよう、初めは周りにたくさんいた入学生も見当たらないし少しウロウロし過ぎたかもしれない。時間に余裕はあるけど一番最後に教室入って目立つのも嫌だし。
ヒーロー科の入試試験の時にいた子とかの顔を少しでも覚えておくべきだったかも。あの時は必死すぎて周り見ている余裕もあんまりなかったし。
そうだ、先生を見つけて聞くのが一番手っ取り早いし先生らしき人を見つけよう。
しばらく歩いていると後ろから規則正しい足音が近づいてくることに気づく。お、やっと先生見つけたかも、と後ろを振り向くとこちらに歩いてくるのは先生ではなく制服を着た生徒だった。
いかにも学級委員長って感じの見た目だし、眼鏡に光が反射していて眩しい。
あまりにも気合いの入った歩き方に気迫さえ感じる。な、なんだこの人。キャラが濃すぎるのが歩き方でわかるんだけど。あまり見ないようにしよう、と前を向いて普通通り歩いていると足音が私を追い抜かしそうになる。クラス尋ねたいけどこの人ちょっと聞きづらいからやめとこ、
「む?」
『は?』
眼鏡の男の子が私を追い抜かす間際で私の顔をのぞきこんだ。ちょっと顔近いんだけど。
「間違いでなければ君はヒーロー科の入試にいた子ではないか?」
腕をブンッと私の方にふる。危ないよ当たりそうだし手の動き激しいなこの人。
『私の事わかるの?』
「あぁ。近くで戦闘していた人達は覚えておこうと思ってだな!!」
私のこと分かるってことはこの子もヒーロー科の入試を受けてたってことかな。ならクラスの場所もわかるっぽい?
『あー、なるほどね!ところで私、今A組を探しているんだけど迷っちゃってて』
「む、A組か。それなら私とクラスメイトだな。この飯田天哉が案内しよう」
『嘘、同じクラス?!』
まさかの初のクラスメイトとの対面があっさり過ぎるけど案内してもらえるならラッキーだ。しかもこの子意外に話しやすいしなんか面白い。
『良かった〜、それなら案内よろしく飯田くん』
「うむ!任せられた!!」
声がでかいぞ飯田くん。