ボーイズトーク。

クラスメイトの意外な一面を知り、だけど殺せんせーの正体には全然迫れず。
そんな修学旅行も明日で終わり。
最終日の夜ということもあってか、少しテンションの上がった男子達が大部屋で話している内容はクラスの女子についてだ。
どの子が気になるか、みんなで投票していた。


「やっぱ1位は神崎さんか」

「まぁ、嫌いな奴いないわなー」


結果を見ながら1位の神崎さんが話題になっていると、飲み物を買いに行っていたカルマ君が大部屋へと戻って来た。


「お、面白そうな事してんじゃん」


輪の中心に置かれた投票結果の紙を見ながら、話題の中に入って来たカルマ君に前原君達が「クラスに気になる女子いる?」「皆言ってんだ、逃げられねーぞ」と楽しそうに詰め寄った。


「…うーん、奥田さんかな」


少し考える素振りをしたあと、カルマ君から出た名前にみんなが意外だなと目を丸くする。


「だって、彼女の力を借りたらオレのイタズラの幅が広がるじゃん」

「…絶対くっつかせたくない二人だな」


色気も何もあったものじゃないと前原君がげんなりしながらそう返せば「あ、」とカルマ君が声を漏らす。
今度はなんだと男子達の視線が再び集まる中、カルマ君は含みのある笑みを浮かべて「優良ちゃんも良いかもね」と言い放った。


「「「「え…」」」」

「いや、確かに、オレも良いかなとか思ったけど…!!」


一切話題に上がらなかった優良ちゃんの名前に前原君が頷きかけて首を横に振る。


「優良ちゃんのお父さん、あの理事長だからな…」

「手を出したらどうなるか分からない…」

「そもそもガードが鉄壁すぎる」

「理事長、意外と親バカだし」

「だからこそじゃん」


「優良ちゃんをネタに理事長を強請れる」と言葉を続けたカルマ君はとても良い笑顔だった。


「「「…か、関わりたくねー!!」」」


降りかかる火の粉を警戒して、前原君達がカルマ君から一歩身を引く。


「まあ、理事長の件は置いといても…、優良ちゃん可愛いからな」

「温和だし、見てて和む」

「あと、意外と胸がデカい」

「「…」」


…せっかく磯貝君達が話題を戻したのに岡島君が真顔でそんなことを言うものだから、さっきよりもよろしくない方へ話題が行っちゃったよ。


「制服だと分かりにくいけど、ジャージだとなかなか…」


岡島君、それ、理事長に知られたら色々まずいんじゃないかな…。
カルマ君とは別の意味で危ない発言をしてる岡島君に乾いた笑みを零していると、磯貝君が止めるように「この話は男子だけの秘密な」と無理矢理締めくくった。


「…ふむふむ、なるほどなるほど」

「「「「「あ……」」」」」


秘密と言ったそばから、窓の外にいた殺せんせーにメモられて逃げられた。



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