お誘い。

リビングでのんびりしていると、優良が僕の所へやって来た。
辺りを見渡してから小声で「お話があるの」と言う優良になんだろうかと少し考えてみたが、これと言って思い当たることはなかった。

優良に連れられて、優良の部屋へと入る。
ドアを閉めてから優良は僕の明日の予定について聞いてきた。


(…特に予定はなかったはず)


空いていることを伝えれば、買い物に付き合ってほしいと頼まれた。


「それでね、父の日のプレゼントを一緒に選んでほしいの」

「………」


そう言えば、そんな行事もあったな。
優良と一緒にショッピングはとても魅力的だが、それが父のためだと思うと素直に喜べない。
何が楽しくて、休日に父さんのプレゼント選びをしなければならないのか。
目的が決まっている以上、優良は父さんのことを考えながら買い物をするのだろう。
…それは面白くない。

だからと言って、優良の誘いは断りたくない…というか、断るという選択肢は存在しない。
例え予定が入っていたとしても、優良を優先していただろう。


(…)


さっさと片付けて、その後にデートでもしよう。
優良が渡す物なら、適当に選んだとしても喜んでもらえるに決まっている。
そう結論づけた所で、優良が寂しそうな表情をしていることに気が付く。


「?どうかしたのか」

「…休日くらいゆっくりしたいよね」


ぽつりとそう呟くと「ごめんね、一人で選ぶから大丈夫だよ」と言った。
待て、誰も行かないとは言ってないだろう。


「大丈夫だ。僕も行く」

「…いいの?」


無理してないかと聞いてくる優良にどうしてそう思うのかと問えば、顔を顰めていたからと返ってきた。
…思いっきり、顔に出ていたようだ。


「…、…何をあげたら喜ぶか想像がつかなかっただけだ」


適当に誤魔化せば「難しいよね…」と優良は困った表情を僕に返した。



*

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CrystalpalacE