選ぶ。

次の日。
ショッピングモール内を手を繋いで、寄り添って歩く。
これで父さんへのプレゼント選びでなければ、完璧なんだが…。
「…何がいいでしょうか?」と首を傾げる優良にため息が出た。

思ったよりも、かなり手こずっている、プレゼント選び。
…はっきり言って、優良が渡す物なら、例え兎のぬいぐるみだったとしても喜んでもらえると思うが。
そんなことを優良が知っているわけもなく、あれかな?これかな?とお店を転々としていたらあっという間にお昼時。

…何が楽しくて、父さんへのプレゼント選びに時間を割いているんだ。
僕が何を言っても、全く聞き入れてもらえないし。
僕がいなくても良いんじゃないか、優良。

…やっぱりだめだ。
休日のショッピングモールは人が多すぎる。
一人は良くない。

再びため息をつきながら、そろそろお昼にしようと優良に声をかけた。

飲食店に入ってご飯を食べている間も、話題は父さんへのプレゼントについてだった。
いい加減父さんへのプレゼント選びに付き合うのも疲れてきた。
…そうだな、優良の好きそうな雑貨でもチラつかせてみようか。


「…これなんて、優良、好きだろ?」


飲食店を出て、次のお店に向かう途中。
可愛らしい小物が並ぶウインドウを指しながら、優良に話しかけてみた。


「…!わぁ、うさぎさん」


「かわいい…」と呟く優良に少し立ち寄ろうかと提案すれば、少し悩んだ後、首を横に振った。


「まだお父様に渡すプレゼントが決まってないから…」


そう答える優良に「少しくらい大丈夫だろ」と優良の手を引くように雑貨屋の中へ入った。


「みてみて!秀くん!」


なんとか意識を父さんへのプレゼントから引き離すことに成功し、頬が緩む。
可愛らしい表情で雑貨を見ている優良に、さっきまでの疲労もすっかり消えた。



*

[*prev] [next#]

[ back ]


CrystalpalacE