阻止する。

(…遅い)


すぐ戻ってくるように言ったけれど、相手はあの人だ。
プレゼントを渡してそれで終わり…で済むわけがなかった。
変なことはされていないと思うが、このまま優良を父さんと二人っきりにしておくのは癪だ。
そう思って、父さんの、寝室まで、迎えに来た、わけだが…。


「!?…優良!!」


何故か、父さんの上に乗っている優良が目に入って一瞬固まってしまった。
な、何してるんだ…!!

急いで優良の所まで行って、優良を父さんから引き離す。
優良をぎゅっと抱きしめながら父さんを睨みつけたが、そんな僕の行動を特に気にした様子もなく「大切に使わせてもらうよ、優良」と笑って寝室を出て行った。


「…」

「…秀くん?」


父さんが出て行ったドアを睨み付けていると、優良が不思議そうに、でも少しだけほっとしているようにも見える表情で僕の愛称を呼んだ。
「大丈夫か」「何もされてないか」と問えば「あのね、喜んでもらえたよ」と嬉しそうに報告する優良。


(…)


優良、会話がかみ合ってないぞ。
そんな僕の心境も知らずに「秀くんのおかげだよ」とはにかんで言うものだから、思考回路が緩んでしまった。
「…そうか、よかったな」と頭を撫でれば、優良はとても嬉しそうに頷いた。


(…)


もう夜も遅い。
優良が普通に笑っているのだから、酷いことをされたわけでもないのだろう。
なら、今は部屋に戻って休むべき。
そうは思っても、このままでは納得がいかなくて。


「…優良」

「?……!!」


優良の唇に自分の唇を押し当てた。
吃驚してる優良に「もう寝よう」と笑いかければ、ほんのり頬を赤らめてこくりと頷いた。
そんな優良の手を引き、父さんの寝室を後にした。

少しくらいは報酬が欲しい。



*

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