君から離れたいそうだ。

中間試験の答案が返却された日の夜のこと。
私の部屋へと訪れた優良は突然「E組に行ってみたい」と言い出した。
「駄目だ」と言っても珍しく引き下がらない優良を諭すように言い聞かせれば、しょんぼりしながらもこくりと頷いてくれた。


(さて、どうしようか…)


学校で優良を一人にしておくのは、あまり良いとは言えない。
黄色い怪物に唆されて何か行動を起こす前に手を打っておくべきか…。

少しだけ思案して、いくつか思い付いた案の中から確実な物を選択した。


「…なんですか、こんな時間に呼び出して」


明らかに不機嫌そうな学秀に「実はね、」と優良がE組へ行きたがっていることを伝えれば、思った通り、その理由を聞いてきた。


「なんでも、君から離れたいそうだ」

「!!」


挑発するように笑って告げれば、むっとした表情で「…嘘ですね」と反論してくる。
そんな学秀に「だったら優良自身に聞いてみたら良い」と返せば、彼は無言で部屋を後にした。


「…」


嘘だと分かっていても学秀は優良へ問いかけに行く。
「何故E組へ行きたいのか」と問われた時、あの黄色い怪物について話すことのできない優良が上手く返事をすることは難しい。
下手に誤魔化せば、私が適当に吐いた言葉の信憑性が増すだけだ。

優良が自分から離れたがっていると誤解した学秀なら、四六時中優良と一緒にいようとするだろう。

私としては学秀も邪魔ではあるが、彼ほど使える監視役もいない。



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CrystalpalacE