絶対に許さない。

父との会話を終えてから優良の部屋へと直行する。
僕から離れたい?そんなこと、優良が言うわけがない。
そうは思っても、父の意味深長な笑みを無視することはできなかった。


「優良」

「…?」


ノックも無しに優良の部屋へと入れば、少しばかり元気のない優良が僕の方を向く。
首を傾げて、どうかしたのかと聞いてきた優良に近づいて、その手を握った。


「なんでE組へ行きたいんだ」

「!!!」


僕の問いかけに「どうして…」と小さく呟く声が聞こえたが、無視して言い方を変える。


「…僕から離れたいからE組へ行きたいのか」

「え…」


目を丸くして固まった後、ふるふると首を横に振って否定する優良に「じゃあ、どうしてE組へ行きたいんだ」と詰め寄れば優良は「それは…、その…」と言葉を濁した。
その上、優良と目を合わせようとしたら俯いてしまう始末。

小さく呟かれた謝罪の言葉が僕の問いかけを肯定しているようにしか聞こえなくて。
優良の顎に手を添えて、無理矢理僕の方を向かせた。


「…!!」


優良と目が合うものの、すぐに逸らされてしまうことに苛立ちと不安が募る。
視線を交えようと吐息がかかるくらい顔を近づければ、やっと優良の瞳と合った。
…それも少しの間だけで、きゅっと目を閉じられてしまったけれど。
その様子をぼんやりと見つめる。

この際、優良の気持ちは関係ないんじゃないか。
最初から、優良を手放す気などないのだから。
優良が僕から離れていかないように見張っていれば良いだけの話。


(今ここでわざわざ聞き出す必要もないか…)


そう自己完結させて、固く閉ざされた優良の瞼にキスを落とす。
それに反応して、恐る恐る目を開いた優良に「もう聞かない」と言葉にすれば、優良はほっとした表情を見せる。
そんな優良から体を離す代わりに手を握り直して笑顔を向けた。

僕から離れるなんて、絶対に許さない。



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CrystalpalacE