…似ている気がする

王女のエスコート役を任された以上、失礼のないよう完璧にこなす。
そう構えて、東京郊外にあるラグジュアリーホテルのフロントへとやって来た。
そのまま王女のいるスイートルームへと案内される。
部屋の中へと通され、王女が現れるのを待つ間、少し辺りを見渡した。
落ち着いた色調で統一されていて、格調の高い雰囲気の部屋だ。


「こんにちは、ガクシュー」


奥の部屋から姿を見せた王女は、フリルのついた白いブラウスに赤いスカートを身に纏って微笑んでいた。
…なんとなく、優良に似ている気がする。
緩みかけた気を引き締め【初めまして、レア王女】と挨拶を返した。


【あら、ノルゴ語がお出来になるの?】

『いえいえ、挨拶だけです。この後は英語でお願いします』


学校についてや英語学習について、王女の質問へ完璧に返答していく。
『どんな遊びをしているの?』という質問に返答した所で、王女が笑顔のまま固まっていることに気が付いた。


(しまった、何かまずいことでも言っただろうか)


慌ててお詫びを申し上げたら『失礼なんて何もなかったわ』と返ってきた。


『英語も完璧、態度も完璧、身だしなみも申し分ないわ』

『…?』


なら、何故、そんなに笑顔を引きつらせているのだろうか。
王女の言っていることが理解できず、戸惑う。


『…もういいわ。外に出ましょう』


そう言うと、王女は立ち上がった。
呆気にとられて様子を見守っていると、王女はコートを羽織る。
本当に外へと出て行くと分かり、慌ててその後を追いかけた。



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