寮の入り口

磯貝君と片岡さんの後についていくと、見知った人達が絵画の前に立っていた。
前原君と岡野さんだ…!


「合言葉言っただろー」

「早く開けてよー、ビッチねえさん」

「今くつろいでる最中なの!見てわかるでしょ!」


「それからビッチじゃなくて、イリーナお姉様とお呼び!」となんとも聞き覚えのあるやり取りが聞こえてきた。


「またやってるのか…」


ため息混じりにそう呟くと、磯貝君は前原君達の所まで駆けていった。
その後に続くように少しだけ駆け足で絵画の所まで向かえば、ソファーに腰かけたビッチ先生がいた。


(…)


僕達の知っている姿ではあるけれど…、絵画に描かれた…しかも動いてしゃべってるという幽霊の律より衝撃的な姿だった。
そんなビッチ先生は、前原君達に言った通りワイングラスを片手にくつろいでいる様子。


「イリーナ先生…?」


優良ちゃんが呟くように首を傾げれば、ビッチ先生は「あら、優良じゃない」と意識を優良ちゃんの方へ向けた。


「イリーナ先生なんて素敵な響きだけど、いつも通りお姉様で良いのよ?」

「お、お姉さま…?」


優良ちゃんがそう呼びなおすと「おかえりなさい」とビッチ先生の描かれた絵画がドアのように開いた。
絵画の奥には通路があるみたいだ。


「ちょ…!くつろいでたんじゃないのかよ!」

「うるさいわね…!さっさと入らないと閉めるわよ!」


この対応の差はなんだと抗議する前原君に苦笑いしてしまう。
この世界でも優良ちゃんの扱いは特別みたいだ。

優良ちゃんが片岡さんに背中を押されて、絵画の奥にある通路へ進んでいく。
前原君も磯貝君に背中を押されながら中へ入っていった。
それに続くように、岡野さんも中に入っていったので、僕もその後に続いてみた。


「あ〜、おかえり〜」



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