気が付いたら…。 どすん。 いつも通り学校へ行き、いつも通り家へ帰るはずだったのに。 いつもと違ったのは、公園から飛び出してきたボールと、それを追いかけて飛び出してきた男の子と、車。 それと、その現場にたまたま居合わせてしまった私自身。 強い衝撃を受けて、不気味な音が鳴る。 倒れる景色の中、助けた男の子が視界に入り、ほっとする。 …良かった、無事みたい。 どさり。 そのまま倒れこんだけど、痛みはない。 でも、体が重い。 意識はあるのに、ぴくりとも動かない。 周りが騒がしいけれど、目を開く力もない。 真っ暗な世界の中、じんわりと痛みを感じ始めて。 それと同時に、周りの喧騒が遠のいていった。 そこで私の世界は終わった。 終わったはずだった。 ◆◆◆◆◆ 次に目を覚ましたら、全く見知らぬ場所にいた。 辺りを見回そうとしたけれど、首が動かないし、なんか、なんか、おかしい…? 「…!!!」 紅葉のような可愛らしい手が視界に入って、びっくりする。 あれ?あれ…?これ、私の手…?? 女子高校生という肩書きもあと少しで手放さなければならない年だったはずが、何故か乳幼児に戻っていた。 記憶を辿ってみても、どうしてこうなったのか思い出せない。 …いつも通り学校へ行って、いつも通り家へ帰った、よね? 「…」 色々考えたいのに、再び睡魔に襲われる。 …さっきまで寝てたはずなのに。 そうぼやきたいのに、言葉にはならなかった。 * [*prev] [next#] [ back ] |