辻くん。

B級に上がって、しばらく経った頃。
ラウンジで荒船くん達を待っていると、見覚えのある子を見かけた。


(辻くんだ…)


犬飼くん同様、二宮隊に所属するはずの子。
もうボーダーに入ってたんだ。


「…」


そこまで考えたところで、ふと思い出す。
あれ、確か辻くんって女の子とまともにお話しできなかった気が…。

テーブルに置いてある電源の落ちたスマホ。
覗き込むように見れば、私自身が映った。
…どこからどう見ても女の子だ。
え、これ…、辻くんとチームメイトになれる…?


「…」


男装は無理があるとしても、この長い髪をばっさり切ればボーイッシュな感じになるかもしれない。
よし、髪を切ろう。



◆◆◆◆◆



翌日、教室に向かう途中で荒船くんと出会った。


「?…髪型変えたのか」

「あ…うん…」


残念なことに、髪を切ろうとしたら家族に全力で止められてしまい、叶わなかった。
代わりに、ポニーテールをお勧めされたわけだけど…、これでは何にも変わってない。
確かに、首筋は涼しくはなったけど…、違うんだよ…。



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