「すげぇぇ!!ハイレベルな試合だぜ!!」
「まばたきしてたら見逃しちまいそうだよ!」
周囲は海堂先輩と越前の試合に夢中になっている
『先輩、海堂先輩のあの技って何なんですか?』
「あれは海堂のスネイクだ」
『スネイク?』
「右足から左足へ体重が移動する瞬間にラケットを大きく振り抜き異常なスピン、回転をかけるショット…」
ものすごい角度で球を打ち返す海堂先輩。大石先輩と乾先輩に質問すれば返答が返ってきた。
『な、なるほど』
「リーチの長い海堂だからこそ出来る技だ!!」
越前がライン際に低く深くいいショットを打つ。だけど海堂先輩が「スネイク」を打ち返す
「越前は拾うのがやっとだ!!」
そんな声が聞こえたが、越前なら逆転できるはずだ、
「今日は暑いっスね…先輩」
Tシャツをパタパタと仰ぐ越前。
『………なんか余裕そうにみえません?』
「よく見てみろ、さつま、越前ってばすごい汗かいてるだろ?」
思わず声に出してしまえば、大石先輩には否定されてしまった。
「ああ、」
「ねぇ、海堂先輩もすごい汗だね。──そろそろその上着脱いだら?」
はぁ〜〜〜〜、越前ってば本当生意気だなぁ。
「あれだけ低く、深い打球を毎回足元へ打たれればヒザを曲げっぱなしでショットをさへられたことにより…通常の2〜3倍は体力を使うことになる」
「へ〜」
『メモしながらしゃべるんですね……』