さりげなーくアピールする子






「アリババって好きな人いないの?」
ドキドキ胸が高鳴るのを無視して、アリババに話しかける。

「え?…いるわけないだろ」


「そうだよね、すぐ女の人みて顔真っ赤になったりするんだもんね。いたら逆にビックリだわ」
はぁ、良かった、……モルジアナって言われたらどうしようかと思った。アリババってば初対面の時ヤムライハさんと話す時も、ピスティさんと話す時も顔真っ赤になってたしなぁ。


「ハァ!?俺ってそんな顔真っ赤になってたか!?」

「うん」

「ウソだろ……」

「…惚れっぽいんじゃない?」

「………」
図星か!図星すぎて声もでないかっ!!

「ねぇ」

「なんだよ」

「私と初対面の時どう思った?かわいいとか思ったりしてない??」

「………………普通の女の子って思った」

「今の間何?嘘ついてるでしょ!」
めちゃくちゃ悩んでたよね!?目線もキョロキョロしてたし。


「な、!そんなわけないだろ!!……じゃあ名前から見た俺の印象はなんだよ」

「……………キラキラしてて眩しくてかっこいいなって思ってた」
太陽の光できらめく髪、笑った笑顔が眩しくて、かっこいいのになぜかモテない、残念なイケメンだよ君は。


「は、………?えっ!?」

「……うわ、アリババくんってば顔真っ赤だよ。」

「そ、そういうお前だって真っ赤だろ!!」


「そう?……アリババは一生モテないままでいてね」

「そんなの無理にきまってるだろ!?」
今の弱い私のままじゃアリババにアピールなんてできない。だからもっと強くなってアリババの側に置いてくれる存在になったら、伝えたい。だから待っててね。