不思議な子






「いらっしゃいませ」

「こんにちは梓さん」

「名前ちゃん!久しぶりだね」
ふんわり微笑む梓さん、ここの喫茶店、ポアロは落ち着くし嫌なモノがいないから気に入ってるんだよね。

「そうですね!あ、ハムサンドください」
梓さんの他にアルバイトの安室さんがいて、彼が働きはじめてから、ポアロに幽霊があらわれることが減った。かなり助かってる。安室さんって生命力が強いのか背後が輝いてみえる。あと守護霊が複数いる気がする、眩しいので良く視えないけど。

「ハムサンドです。」
目の前に置かれるハムサンド

「安室さん!ありがとうございます」

「いえいえ、珍しいですね名前さんがハムサンド頼むなんて」

「今日はハムサンドパワーが欲しくて」

「そ、そうなんですね」
反応に困ってる安室さん。自分でも何言ってるんだ私、ってなったよ。

いただきます、と手を合わせてからハムサンドにかぶりつく、美味しい…。今日は面倒な幽霊に構われてたから生き返るわぁ。ハムサンドをペロリとたいらげて、水を飲みほした。
「ハァ〜〜!!!美味しかったァ〜!」

「ふ、あはは!名前さんってばいい食べっぷりですね」

「あ、あははは。………そういえば安室さんって今日疲れてたりしません?」
は、恥ずかし、安室さんに笑われた。
先程から気になっていたことを尋ねる。

「え?確かに肩こりが酷い気がしますけど……」

「あ、なんでもなかったみたいです」
肩をグルグル回す仕草をする安室さん。…………あ、消えた。黒いモヤみたいなのがいた気がしたけど、体を動かして祓っちゃったみたい。流石安室さん。

「僕のこともそうですけど、名前さんも疲れてんじゃないですか?」

「いやぁ、そんなことはないですよ。ポアロにいる時はいつもフルパワーなんで!」

「じゃあ良かったです」
にっこり笑う安室さん。お互い様だけど私も安室さんも毎日生きてて偉いよ、店の外には幽霊がたくさんいるし、間違えて話しかけたりしちゃうから気を付けないと。













おまけ
名字名前。ポアロに来る常連客の一人だが喫茶店の外で見かけた時に誰もいない所で一人でしゃべっていたり、何かから逃げるように顔面蒼白して逃げる様子を見かけたり、不思議な女性だ。コナンくんにも聞いてみれば少年探偵団の皆も僕と同じことを見かけたと話していた。

「一体、何があるんだ…?」