Novel title(悪役女)

シャボンディ諸島 2

 ローは情報屋と聞いてこいつは使えるかもしれない、そう判断をしたのか、ニヒルな笑みを更に深くして悪どい顔付きになった。一般人が見たら裸足で逃げただろうな。

「ミルキ。シャボンディ諸島について情報を売ってくれ。」

「あら、そんなこと。あなたならもう入手しているのではなくって?」

「俺が欲しいのは人間屋の情報だ。使える人材がいるなら欲しい。」

非常に嘘くさい。というか嘘だ。私は知ってるぞ、お前が王下七武海であるドフラミンゴの部下だってな。前に人間屋の電話をハッキングしたらペラペラ喋ってくれていた。そろそろ俺の可愛い部下であるローが辿り着くからよろしくなとかなんとか。

 それはさておき、そんなことを馬鹿正直に伝えてしまってはまずい。ドフラミンゴの部下であることは、恐らくトップシークレットだ。お口チャック。

「そうね。その程度だったら直ぐにわかる情報ですもの。簡単に教えて差し上げますわ。」

調べれば誰でも知り得る情報を、何名かに絞ってぽつりぽつりと話す。

 このシャボンディ諸島では奴隷落ちする美女や海賊が非常に多い。海軍本部が近いわりに、人攫いが減らないから一向に治安は良くならない。というのも、天竜人がいるからである。あいつらの娯楽のために、このようなくだらないシステムが消えないのである。

「そういえば天竜人が人間屋に行くそうですわね。1番のところの。あそこは避けた方がいいかもしれませんわ。もし行くというのであれば、その天龍人の奴隷であるジャンバール。彼には注意が必要かもしれませんわね。」

あいつ、天竜人に繋がれているから大人しくしてるけど、実際はそこらの海賊より強いだろう。なぜ繋がれてしまったのか気になるところだ。

と、まあこんなところだろうか。

情報は渡したのだからはやく手を離せと目で訴える。

「なんだ。仲間になりたそうに見ているな。うちに来るか?」

顎に添えられている手を持ち替え、うん、と頬を摘まれて縦に頷かせられる。

「そうか、そんなにウチに来たいのか。なら仕方ねェ、今日からクルーになるといい。」

「馬鹿なの?行きたいだなんて一言も言ってないんだけど?」

いや、なに???ギャグにしないでくださる??

少々腹が立ったので、頬に持ち替えやがった手を容赦なく叩き落として睨み付ける。

なんだこの茶番。見た目に合わず随分ガキくさいことをする男だ。後ろにいる部下たち、船長を微笑ましく見てないで誰か止めてくれ。そもそもなんでシロクマがここにいるのだ。しかもツナギを着て二足歩行をしている。お前も悪魔の実なのか。

「うちは人手が足りないんでな。戦力になりそうなお前が欲しい。」

ローはくつくつ笑いながら、面白そうに目を細めながら言う。

この男、問答無用で連れて行く気だ。背中はもちろん、顎に添えている手は軽いが隙はない。

腰に手を当てられ、エスコートされる。
道案内も何もこの男、道を知ってるではないか。
既に情報を得ていたのだろう。

後ろでしろくまが長い刀を持ちながら着いてくるのを尻目に、この男について頭の中で情報を付け足していく。