Ivy

それから協会の帰りに林に寄ることが私の日課になった
あんな約束をしてしまったので仕方なく、だ
ギルベルトに相談しようと思ったが相談したら説教は確実だし、もしかしたらアルフレッドを消されてしまうかもしれない
別に悪魔の心配なんかしてないが母さんを助けれる方向をそんな易々と消せれる訳がなかった

そして今日もあの林に入る
この前の場所はアルフレッドの生み出した空間で、意中のままに何でも出来るらしい

日光の中を歩いていると蔓か何か引っ掛かってつまづいた
咄嗟の事に勿論驚いた私は「ふぁっ!」と叫んで手を突こうとした
しかし、私の手は地面に触れる事はなかった
代わりにアルフレッドの手の中にスッポリと収まっていた
やっぱりこいつの仕業か
目の前の悪魔はご満悦そうにニヨニヨと笑っていた
流石悪魔、性格が悪い
アルフレッドはしばしば…いや毎回こういった悪戯をしてくる
何とも、私の反応(特に声)が面白いのだそうだ
別に他の人とは叫び方は違うかもしれないけど(ギルベルトには奇声と言われた)別に驚いたら声が出るのは普通だと思う
毎回引っ掛かる私も私だがこんな事をするアルフレッドもアルフレッドだ
こんな悪戯今は5才児でもしないぞ

目の前の悪魔をジトリと睨みながら「助けてくれてありがとう」と皮肉を言うが、アルフレッドはニッコリして「どういたしまして」何て返すから余計苛つく
「助けるくらいなら止めてよ」
まだ機嫌は収まらずいつもの台詞を吐く
「それじゃあ面白くないだろ」
そして返ってくる変わらない返答
これじゃあ拉致が開かない
はぁ…とため息をつくと「何か悩みごとでも?」と心配そうな顔をしてくる
先程の行動のせいで、どうしてもからかっているようにしか聞こえない
「私の目の前にいる素敵な悪魔さんのせいでね!」
何時もの仕返しとばかりに笑顔を張り付けて嫌味ったらしく言い切る
「俺が素敵?ありがとう」
なのにアルフレッドは此方が見とれる笑顔で礼を言ってきた
あああああああ!!
皮肉を言っているのに反応所か嬉しそうにしやがってっ!
本当こういうとこかムカつく!!!