2016/09/25
溶ける。 - 鋸鮫
食べてしまいたいほど可愛いとは良く言ったもので。
目の前の肢体に噛みつきながら、流れる血を啜るように舐める。
白い肌。紅い血。鉄の味。
「…あッ」
繋がった身体。触れたところからドロドロに溶けていくような。
恐怖。
境界が、無くなっていくような。
頬を女の指がなぞり、落ちていく。
絡みつく腕の熱さに目眩がしそうだ。
打ち付ける腰に弾ける肌の痛みで、やっと暴力性が戻ってくる。
ああ、これだ。まぐわいあうなら気持ち良くなければ。
女の目から溢れる涙が光って落ちる。
放たれた欲望と弾け飛んだ興奮の刹那、よみがえった恐怖でほんの少しだけ女を突き飛ばすように、身体を離した。