数日間、熱が収まらなかった。
おまけに傷がカユミを帯びて、掻こうとするたびに止められて、ついには両腕両足を拘束されてしまった。

「苦しいのは、お前だけじゃないんだぜ?」

自室のベッドに括り付けられ、うめき声を上げる千代里にアーロンは自身をさしながら下卑た笑いを向ける。

「せっかく、だ。気を紛らわすために、俺を喜ばせる練習でもするか?」

恨めしそうに見上げる。
いますぐ壊してしまいたくなる衝動を抑えながら、自身を口元へともっていく。

「あー、歯を立てんなって」
「んー!」

ごほごほと咳き込む千代里の頭を掴む。
やはり半分すら入らない。

喉の奥まで入れられるようになるか微妙なところだな、と口を開けさせて、指で歯列をなぞる。

「…ごめんなさい」

気が萎える。
そう謝罪の言葉を重ねられても。
少しは嫌がらないものか。

こいつ、既に、壊れているのかもしれない。
イライラする。

「とんだ淫乱だな。お前、本当に初めてだったのか?」
「…はじめて、です」
「疑わしいもんだなぁ」

機嫌が悪い、というのを俊敏に感じ取って、千代里の瞳が不安に揺れる。

「もういちど、練習させてください」

健気だな、と溜息をつく。
あまりに従順すぎるのもどうか。

「本当に良い子ちゃんだな、お前は」

誰が、こいつをこんなガラクタにしたんだろうか。
千代里を通して、男の影がチラつく。
お前の心を縛る恐怖は何なのか。

「ん…」

切なげで懸命な動きは、しかし、欲を高ぶらせても吐き出させるまでにはいかない。
抜き出して、歳の割によく育ったやわらかい胸の間に挟ませる。

「コッチを使うぜ?いいな」

心細い顔を縦にふる。
そう、その怯えた顔が良いんだよ。

身体が飛ばないようにしっかりと掴み、思い切り腰を打ち付ける。
白い熱が噴き出す。

目をつぶって、顔を必死に逸らす千代里をつかまえて無理やり口に含ませる。

「…ッ」

少し噛み付いて、息苦しそうに涙を見せる。
しっかりと舐めきったところで体勢をなおし、跨いだ下で身じろぐ汚れた体を、つぅ、となぞる。

「げほっ、」

娼婦のような影が一向に出ないくせに、アンバランスな艶がどうにも。
いつまでたっても、一方的に犯しているようにしか感じられない。

「生きるためなら何でもします、だからな。お前は何でもするよなあ」

不思議そうに見上げる瞳は、ガラス玉のように空っぽで、透き通っている。

「俺の機嫌を取る一心で」

吐き出した液の熱が冷えていく。
身体を吹けない千代里のために、事後処理までしてやる自分に嫌気がさす。

「…あたし」

言葉の出口をふさぐ。
彼女の舌を執拗に舐めて吸い上げ、柔らかい唇を食みながら、意識が遠のくくらいずっとずっとキスを続けた。