一戦交えて、結局、新しく傷をつけ、治りかけたケガもひどくさせた。
手当を受けさせて、引越し終わったのは夕方だった。
少し高い階で、夕景が想像以上に素晴らしい。
千代里は感嘆の叫びを上げて、またも暴力をふるった男に飛びつく。
「すっごく綺麗!あたしこんな素敵な海と夕日はじめて見た!」
はあ。とため息をつきながら、アーロンは学ばない千代里の頭をポンポンと撫ぜる。
「お前、恋人にDV男を無意識で選ぶタイプだろ… 気をつけろよ」
その張本人ながら、本気で少女の行く末が心配になった。
なにが悲しくて、オッサンが20は歳の離れた娘に、欲情するのか。
対外的に見て、冷静にクズ野郎だと思うことがある。
スラム時代にこんなオンナ連れてたら、なんと言われたものだろう。
「あたし恋人いたことないから分かんない」
「なおさら気をつけろ」
「なにに気をつけたらいいの?」
きょとん、と首を傾げる動作をする。
恐らく無意識なのだろうが、無性に張り倒したくなる。
「そういうところだ」
デコピンして、腰に巻きついた手を離させる。
子犬がじゃれてくるようだ。
「いった!」
「ケガを増やすなよ」
よろよろと下がる千代里に背を向けて、広場に戻ろうと踵を返す。
ありがとうございました、と追いかけてくる声から逃げるように、足早にそこを立ち去る。
娘がいたら、こんな心境になるのだろうか。
ふいに妹の顔を思い出す。
千代里といると、つい、感傷に浸りそうになる。
冷酷な支配者でいなくては、と廊下に伸びる闇へと足を進めていく。
*
傷口が塞がってすぐ、千代里は泳ぎの朝練を復活させた。
時折、チュウはその練習に付き合うことがある。
1番初めに追いかけた時、逃げられるかと一瞬思ったくらい、千代里の泳ぎが見事だったのもあり。
人間が純粋に速さを求めて泳ぐ姿が珍しいこともあり。
人魚は、もちろん、比べものにならないくらい速いが、ふっと、千代里に人魚が重なることがある。
「あ、チュウ。おはよう」
プールから休憩に上がった千代里が気がつく。
よう、と手を上げて、隣に腰を下ろす。
「今日は調子どうだ?」
「うーん、やっぱ、まだしみる」
腕を指差して、アーロンの歯型を見せられる。
ずいぶんとまあ、お盛んなことで。
「…ほんとに機嫌を損ねてねェんだよな?」
「多分。サメって、交尾するとき、メスの身体を噛むんでしょ?」
大胆なカミングアウト。
つまり、やはり。それは致している間につけられたということ。
「そうらしいな」
またあの気性の荒い頑固者が、狂うほどにどっぷり浸かったオンナってのは、どんな味がするものなのか。
今までは、アーロンのモノに手を出すなんざ、末恐ろしくて出来なかった。
逆に、同胞になったからには、自由恋愛というわけだ。
ちょっかいを出したって、大目には見られるだろう。
「千代里、ちょっといいか」
「ん、なあに?」
何にも疑うことのない目で、振り返る少女。
確かにこれは、ほんの少し、苛めたくなるかもしれない。
「前から言ってる、フォームがぎこちないところ、治ってないぞ」
「えっ、ほんとに?」
「ああ。教えてやるから、こっちこいよ」
立ち上がった千代里の手を引いて、しゃがんで太腿を台にした上にうつ伏せにさせる。
よく育った胸が、太腿のキワで零れ落ちる。
お腹をくいっと持ち上げて、筋肉で持ち上がったお尻を突き上げさせる。
「この、足があがるとき」
千代里の足首を掴んで、彼女の内腿の付け根のキワに、指を這わせる。
「ほら、ここ」
指導自体は遠からずも近からず。
筋肉が変に強張るところで指を滑らせる。
何度も、何度も、執拗に付け根までこすりあげる。
「肉離れ起こしてから、そこ、変に力が入っちゃうみたいで…」
もじもじと、千代里がお腹を動かす。くすぐったい、らしい。
「マッサージ、してやるよ」
くに、とワレメを撫ぜる。
ひゃ?! と上がる声が、思っていたより、可愛い。
「やっ、な、」
「ちゃんとほぐさないと」
吸い付くようなキメの細かい肌が、けっこうクセになる。
こりゃ、味見で止められれば良いが、と手を出したことを早速後悔する。
「ぁ、だめ、そんなとこっ」
がっつり掴んだ足首に、少女が動かそうと入る力も、非力すぎて嗜虐心を煽られる。
やばい。止まらない。
辺りを見回して誰もいないのを良いことに、ヌルリと水に濡れるオンナの穴に指を入れる。
アーロンさんに犯されてるわりに、まだ狭い内壁。トロけるように吸い付いてくる。
「チュウさん、やめてくださいっ」
「ヤラシイこと考えてんの? 落ち着けって、ここにツボがあるんだよ」
そうなの? と力を抜く千代里のワレメを指で開き、身を隠すように縮こまる小さな真珠を掻き出す。
「ッあ!ぁ、そこっ、ちが」
「なにが違うって?」
たぶん。アーロンさんのことだ。
丁寧な愛撫なんざ、してないだろう。
「ひっ、ぁ、うそ、いっ…!」
ゆっくりねちっこく捏ねくり回してやると、感じやすく育った身体がビクビクと跳ね回る。
「…けっこう、イキやすいんだ?」
「あ、やめ、とまんない、ゆび、とめてぇ! あっああああ! やめて、あっ、、そんな、やだ、いっちゃ、やぁああああ!」
すっかり綻んで、膨らんできた真珠を、優しく潰して転がせる。
くに、くに、くち、くち。
「もっ、むり、ぁ、おかしくなるッ! おかしくなっちゃ、やぁンンンン!」
完全に、欲情してしまった。
水着が視覚的にエロい。
千代里のお腹にグイッと大きくなった自身がぐりぐりと当たっているだけで、もう、かなり。
くちゅくちゅくちゅくちゅ。
イク度に少しずつ敏感さが上がる。
痛くないように、高速で指を擦ったりはしない。
ただ、極上の快楽に堕として、優しく、優しく。
「ふぁ、あーーっ! らめ、もぉ、むり、とめてぇ、ゆび、きもちぃ、あっ、は、ぁぁ!」
あーあー、舌まで出しちゃって。
誰に犯されてるか分かってんのかな。
ザッ、と足音。ぴたりと手を止める。
さすがにこれ以上は、水門手前のプールサイドじゃリスクが高すぎる。
物陰に千代里を移動させて、トロットロになった紅い真珠を音を立てて吸う。
ひゃ、と上がる声を手で塞いで、チュルチュルと飲み込むくらいに吸い上げる。
「む、ンンンンンン!!」
ついに、千代里が気絶する。しまった、と口を離す。
くたん、と四肢の力が抜けた彼女を抱き上げて、急いで長椅子に寝かせる。
「…これは、セーフ、だよな」
入れてないし。
頬を軽く叩いて目を覚まさせる。
「、チュウ、さん?」
はぁ、はぁ、と息をこぼすのがまた、エロい。
「ごめん、ちょっとやり過ぎた」
「…ぁ、腰に、ちから、はいんなぃ」
がくん、と千代里の腕から力が抜ける。
今すぐぶち込みたい欲望を抑えて、千代里の肩を椅子に抑えつける。
「しばらくは無理だ。休んでろ」
はい、と力なげに答える。
さらに、ありがとう、と続けられ、グッと力を増す下半身を押さえつけて、立ち上がる。
「あんまり男を信用すんじゃねぇぞ」
イッパツ抜きにトイレに向かう廊下でアーロンとすれ違う。
やべえ、と思いつつ、何事もなかったかのように挨拶をした次の瞬間、笑顔で殺すぞ、と言われて速攻で力を失った。
アーロンが千代里によそよそしくしていたことは何となく感じ取ってはいたが。
ーーこれは、火に油を注いだな。
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