アーロンが帰ってきた。
煌びやかな篝火が焚かれ、ゆらゆらと炎が魚人たちを照らす。
酒を浴びるように飲んで、たくさんの影がステップを踏んで踊る。
アーロンは終始ゴキゲンで、首輪からのびる鎖を引っ張って、口移しで葡萄酒を飲ませた。
「ふ、っん」
息が出来なくて目眩がする。
ごくり、ごくりと喉まで舌が葡萄酒を押し込める。
たじろぐように舌を舐め返すと、頭を掴む手のひらに引き寄せられる。
歓声があがる。
つー、と胸に落ちる酒を、丁寧にアーロンの舌が追う。
頭がからっぽになる。
この人と、また狂いたい。
「そんな目で見るな」
ニヤりと嗤う男は怒る素振りも見せずに、鎖を撫ぜる。
ちゅ、ちゅ、と耳の裏やうなじにキスをされ、ぞくぞくと疼きが足先から頭まで駆け抜ける。
「アーロンさん、ここでやっちゃってくださいよ!」
誰かが叫ぶ。
熱気が変な空気になる。
「馬鹿。まだこいつはお披露目とはいかねえよ」
チラホラと笑いが起きて、口笛がヒューヒューと鳴る。そしてまた、祭りのモードに戻っていく。
こういう風に、きっと、公開処刑が過去にあったのだろう……
「約束は守るぜ?お前が俺の機嫌を損ねない限りは…」
鎖を引っ張られてもいないのに。
導かれるように彼のたくましい太ももを跨いでそっと胸板へしなだれる。
背中を撫ぜられる度に、言いようのない甘やかな思いが磯の香りで蒸せ返る。
我慢できずに胸に噛み付くと、もう少し待っていろ、と耳元で囁かれた。
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