復讐は蜜の味
人間味など全く持ち合わせない冷酷な瞳。全ての神官と従者を集めた会議の場。
一度大きく争って以来しばらくシャンディアも復活はしそうにないという。
青海から不法入国者も多くはないし、恐怖政治の行き届いた今、誰か骨のある反乱を起こす者もいない。
「ああ、退屈だ。平和すぎる」
真っ赤に熟れたリンゴを齧りながら、退屈そうに神は社の椅子に寝転がる。
贅を凝らした踊り子のダンスも、酒池肉林も、この男を満たすことはないようだ。
この数ヶ月。
彼は退屈に飽き飽きしていた。
「…そうだな、今宵は、そこの者」
金の棍棒で、私を指差す男。
神、エネル。
この瞬間を、ずっと待ち望んでいた。
「名は、何という」
歪に上がる口角は笑顔と言うにはあまりにも禍々しい。
氷点下の冷たいアイスブルーの視線。
赤い目で睨み返す。
「ガーネットと申します」
殺意を気取られてしまっただろうか。
だとしてもチャンスだ。
今日、私はお前を殺す。
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