40.ガールズトーク
旅館側に多大な迷惑と被害を被ってしまった温泉in卓球大会。
壊れた壁、卓球台、その他もろもろの弁償はブルマさんがちゃちゃっと済ませてくれたけど…
なんか、色々とごめんなさい。
言い出したのはあたしだし、そりゃあ責任も感じてしまう。
ブルマさんに言わせてみれば…
「いいのよ〜、最初っから予想してたことだし、ね」
…とのことだけど、それでも何だかごめんなさい!
そして、男性陣と別れ、部屋に帰り付いたあたしたち。
そこでようやく…ビーデルさんの今までの態度の謎が解けた。
『見上げれば同じ空。<40>』
「貴女、悟飯くんと一緒に住んでいるって…本当なの?」
「へ?」
そう、突然そんなことを聞かれたんです…ビーデルさんに。
だけど、あたしはどう見ても睨まれていて。
戸惑いつつも、小さく頷いた。
「は、はい…あの家に、お世話になっていますけど」
「…ふ〜ん」
あれ?
あたし今、すごく気になった。
一瞬だけ見せたビーデルさんの表情…まるで傷ついたみたいな、そんな表情だった。
つくづく、あたしは鈍感だ。
ブルマさんが横から口を挟んでくれるまで、全然気付かずにいた。
「あははっ、ビーデルったらそんなこと気にしてたの?」
「そ、そんなことって…!」
「心配しなくても大丈夫よ〜」
あたしの横に立ったブルマさんが、あたしの肩をポンッと叩いた。
「アンタが心配しているようなことは何もないわ。ねっ、名前?」
ブルマさんがあたしのことを覗き込む。
…そっか!
ビーデルさんは悟飯くんのことが好きなんだ!!
だから、一緒に住んでいるって聞かされて、あたしのことを良く思っていなかったんだ。
そうだよね…好きな男の人が女の人と一緒に住んでるって聞いて、良く思うはずないもん。
「あ、はい。あたし、悟飯くんのことはホントに、何とも…」
「ちょっ…待ちなさいよ!別に、そういう意味じゃっ!!」
「でも、間違ってはいないでしょう?」
「っ…」
あたしの言葉を否定しようとしたらしいビーデルさんだったけど。
ウィンクしながらのブルマさんの一言に出てくる言葉がないみたい。
ブルマさんに勝てないのはあたしだけじゃないんだ…
真っ赤になって俯いてしまったビーデルさんに何だか親近感を感じてしまったあたし。
「何だかイヤな思いをさせていたみたいで、ごめんなさい…ビーデルさん」
「…いいえ。私も、初対面だったのに、ごめんなさい」
ビーデルさんと分かり合えて、すごく嬉しかった。
そしてビーデルさんが本当に悟飯くんのことが大好きなんだなっていうのも伝わってきて。
あたしは思わず笑顔になる。
「あたし、応援しますから!」
「だから、そういうんじゃないんだってば!」
「あ、でもあたし…他に行くところがないので、これからもあの家にお世話になると思うんです。でもその、大丈夫ですからね!あたしと悟飯くんじゃあ、ちょっと歳も離れすぎてるし」
肩を竦ませながら、苦笑いをするあたし。
その時、あたしの言葉を聞いたブルマさんも、ビーデルさんも、18号さんも三者三様に「えっ?」という表情になったのがわかった。
え…なに?
あたし、何か変なこと、言った??
「そういえば、名前って何歳なの?」
「あれ、言ったことなかったでしたっけ??」
ブルマさんの言葉にあたしのほうが首を傾げた。
「あたし、今年でもう2“ピー”歳になりますよ〜」
「えぇっ!!?」
「う、うそでしょう!!」
「……………」
上から順にビーデルさん、ブルマさん、18号さん。
一様の反応にあたしまでびっくりして、固まってしまう。
18号さんなんて、一番反応が薄いように見えるけど、寝付きそうになっているマーロンちゃんの背中を撫でていた手がしっかりとフリーズしているし…
「え…あれ…?」
そんなに意外ですか??
苦笑いのまま、そう聞き返せば間髪いれずに返答が返ってきた。
「意外だわ!」
…あ、そうですか。
「びっくりした〜、私はてっきり悟飯くんより2,3歳上か同じくらいかと思っていたから」
「あはは、それじゃあまだ10代になっちゃうじゃないですか〜」
「でも、私もそれくらいかと思ってました」
「…あれ、あたしって、そんなに子供っぽく見えますか?」
ちょっぴりシュンっとなってしまう。
確かに童顔かなぁ、って少し気にしてるのに…
そんなあたしの背中をブルマさんが笑いながら叩いている。
「そんなことで落ち込んでいられるのは今のうちよ。歳なんて放っておいても取っていくんだから、焦らなくてもいいんじゃない?」
「それは、そうですけど…なんか、うまく丸め込まれた気がします」
「そう?でも、ホントに細かいことばっかり気にしてると一気に老け込むわよ?」
「そっ、それはイヤですっ!!!」
くどいようですが…もう2“ピー”歳。
若く見られすぎるのもイヤだけど、老けるとかそういう言葉に過剰に反応してしまう自分にちょっぴり涙が出そう…(笑)
「それに、孫くんはそんなの気にしてなさそうだしね」
「…っ!ブ、ブルマさんっ!!!」
ポロッととんでもないことを言ってくれるブルマさんの口を慌てて塞ごうとする。
…けど、ブルマさんって意外と機敏。
スルリとかわされた。
ほら!そんなことを言うからビーデルさんが「え、何?何の話??」とか興味を持ってしまっているじゃないですか!!
「な、何でもないの、ビーデルさん!」
恥ずかしくて、必死にごまかそうとするあたし。
だけど、その時。
コンコン
部屋のドアがノックされた。
「名前〜、オラだ。ちょっと出てこれるか〜?」
「っ、悟空っ!?」
扉の向こうに悟空の声。
あまりにもタイミング良すぎの登場に一気に赤面するあたし。
そんなあたしを見てブルマさんがビーデルさんにウィンク。
「わかった?そういうことvv」
うわぁぁん!
あたし、絶対にブルマさんにだけは一生勝てないような気がします!!