「待ってくれエル。誰にだって間違いはあるだろう?」
ジトリとした視線を向けるエルにスティーブンは慌てて弁明するもエルはただただ溜息をつくだけであった。
そんなエルの目の前にはスティーブンが買ってきたケーキがテーブルに鎮座していた。
「別に嫌いじゃないんですよ。ただ言いましたよね?私はモンブランが食べたいって」
「……言ってました」
「目の前にあるケーキは?」
「チョコレートケーキです」
「モンブランは?」
「間違えて…買いました」
「ふーん?」
「…………すみませんでした」
頭を下げて謝るスティーブンに対しエルは見つめるだけであった。
「スティーブン」
「なんでしょうか」
「私、今すごくチョコレートケーキが食べたくなりました」
「……は?」
思わず顔を上げたスティーブンにエルは椅子に座りながら続ける
「二つ食べたい気分です」
ニコリと笑顔を浮かべたエルにスティーブンはつられて笑った
「スティーブン?」
「どうぞ、お納めくださいシスター」
「御丁寧にどうも」
あはっ!とエルも無邪気な子供の様に笑った
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