それはさながら懺悔のよう

「今何時か御存知かしら?」

同僚達が置いていった男女を拘束し情報を吐かせた後、再び眠ろうとしていると本日2度目裏口からの来客を知らせる鐘が鳴った

「か弱い乙女の家に裏口から入ってくるなんて……ワタクシが優しいからってやっていい事といけないことがありますわ!」
「御免。近くまで来たから寄らせてもらった」
「あの……冗談ですからそんな真面目に返されると困ります」
「知ってるよ」
「あら腹黒い…」

同僚達と同様、教会に来慣れているスティーブンを中に招き入れ来客用の部屋に通す

「その様子だと仮眠とっていきますよね?ゆっくりしててください。今紅茶淹れて来ますから」

そう言い部屋を出ようとしたエルをスティーブンは腕を掴んで止めた

「何です?」
「あ、いや……何も……ただ」
「ただ?」
「来る前に家政婦の子供たちにあってね。家族仲睦まじいのが羨ましいと思って」
「あら?スティーブンもそう思ったりするんですね」
「僕も人間だからね」

そう言いながら苦笑いするスティーブンにため息をついたエルは両腕を開いた

「仕方が無いので甘やかしてあげます」

さあいらっしゃいと待ち構えるも動こうとしないスティーブンにまたため息をついたエルは腕を掴んで引っ張り抱きとめた

「エル」
「少しくらい気を緩めなくては押し潰されてしまいますよ」

エルが言いながら背中を軽く叩くとスティーブンは頭をエルの肩に乗せ、今にも消えて無くなりそうな掠れた声を出した

「ありがとう」
「いえ。その代わり、お土産は奮発してください」
「ははっ……じゃあ次はケーキを買ってくるさ」
「約束です」
「あぁ、約束する……」

エルに寄りかかるようにしてスティーブンは静かに眠りに落ちていった

「スティーブンは独りではありませんよ」

エルはスティーブンをベットに寝かせ、頭を軽く撫でた後、静かに部屋を立ち去った