「まあ、こんなもんか」
腕章、革手袋、ピストルの3拍子を装備した織依は早速テレビに入ることにした。
武器は無くてもシャドウのあの怯えようを見れば必要ないと判断した。真田さんの指導のお陰で白兵戦は得意である。
「どうせこれさえあれば大丈夫だって」
ピストルをホルスターの上から撫でながらそう漏らす。ホルスターを撫でるのは織依の一種の癖であった。
「さあ、行こう」
手をテレビに向けて伸ばす。ズズズと音を立てながら手を引っ張られてゆく感覚に身をゆだね、テレビに突入した。
受身を取りながら無事着地に成功した織依は開いた口が塞がらなかった。
「なんだここは」
タルタロスとはえらい違いだ。
マヨナカテレビでも見たが、そこは城だった。
内装も赤絨毯とシャンデリアで城だった。
何もかもが城だった。
ただ霧のようなものがあるせいで城は城でも雰囲気は禍々しい。
それよりも織依は気になることがあった。
「さっきのシャドウ……」
浮いてた。
いやね、うん。
浮いてた。
織依は2年前とのギャップに驚かざるを得なかった。
いやーびっくりびっくりと観察していた織依に気付いたシャドウも案の定怯えて逃げ出したため奇声を上げながら追いかけ回した。
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