テレビに片手をつっこんでから翌日
織依は朝からクローゼットの中を漁り、クローゼットの奥の奥の方から傷のついたアタッシュケースを取り出した。稲羽市に居る間は出す事がないと思ってしまっていたものだ。
「これを出すのは2年ぶり……かな?」
アタッシュケースを開けて懐かしさに目を細める。
箱の中には鈍い光りを放つ一丁のピストルと赤色の腕章、黒い革手袋、白いホルスターが入っていた。2年前に織依本人が使っていたものである。
「武器も探さないとなー」
武器は全てが終わった時全て売り払い、持っていなかった。確か“だいだら。”とかいう武器屋がバイト先の近くにあったはずである、とぼんやり考えている織依が武器を探しているのには理由があった。
テレビに片手をつっこんで呆然としていた時、織依はとっさに思い付いたことがあった。
「これ頭……入るんじゃね?」
実際片手だって入っているとちょっとだけわくわくしてきた織依はズズズッと音を立てながらテレビから手を抜き、躊躇いなく頭を突っ込んだ。
ズズズズと音がした後目を開いてみると白い靄ばかりの空間が広がっていた。その靄のせいで視界はあまりよくなく、じっと目を凝らして靄の中を見る。
するとその中に黒い影に赤い丸が2つ、目の様についているのが見えた
まごうごとなき
「シャドウだ」
まじかよ
シャドウは居なくなったはずなのに……
織依は溜め息をついた。
ああ、私たちのしてきたことは意味を成していなかったのだろうか?いや、影時間は消えている。ならなぜシャドウはここにいるのか……
織依が思考する度にその表情はくもってゆく。そして一通り思考し終えて結論を出した。
「目撃してしまったのならしょうがない。シャドウを……」
狩る
そう織依が言った瞬間、目の前にいたシャドウは怯え一目散に逃げていった。
ザワザワと騒ぎたてる音が聞こえることから周りのシャドウも怯えているのだろう。
そのことにイラッとした織依はテレビの中に突入することを決めたのであった。
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