殴られた月森と投げられた花村が落ち着いたところで織依は切り出した。
「さてさて、それで今何がどうなってる?」
その言葉に月森達は最初から話し出す。
連続殺人のこと
小西先輩のこと
雪子のこと
「うん。大体はわかった。けど……話してないことがまだあるよね?」
それは確信が有るというような言葉だった。月森は少し困った顔をして話し出す。
「鴻崎は、ペルソナというものを知っているか?」
時が止まったかのように一瞬静まり返った。
「ペルソナとは……」
「もう一人の自分……」
織依以外が目を見開く
「でしょ?」
「織依知ってるの!?」
千枝の言葉に織依が空を見上げ話し出す。
「……2年前に無気力症が流行ったのは知ってる?」
その問いに花村が思い出しながら話す
「たしか原因不明の病気で、とにかく無気力に陥る病だかなんだかだったような……」
うんうんと織依は頷き、続ける。
「最初、あの症状はシャドウに襲われた人がなる症状だと思われていた。だけど違った。あれは人間の身体からシャドウが抜け出てしまった抜け殻の状態だったんだ」
覚えがあるだろ?と織依はメンバーを見回す。
「私は運良く適性があった。だからシャドウは抜け出てしまうことなくペルソナとして召喚できる。我は汝、汝は我って具合にね」
織依の言葉にそういえばと月森は思い出す。
ペルソナを召喚する時、そういう言葉を聴いた覚えがある。
我は汝、汝は我。
だからシャドウを自分と認めればペルソナへと変化し、それが自分の力になるということなのだろう。
「あの時は私達中学生ぐらいだったよね」
織依は雪子の言った言葉に頷く
「私……いや私達って言った方がいいかな」
織依が4人を見て言い放った。
「私達はその時ペルソナを召喚することができていて、私たちはそういう人達の事をペルソナ使いと呼んでいた」
織依の言葉に4人は目を丸くした
「じゃ、じゃあ、ずっとシャドウと闘ってたの?」」
「うんまあ。だけど浮かんでるシャドウとか初めて見た。なにあれ進化?ちょっと可愛いとか思ったちゃったけどあれなんなの?新種?」
織依の言葉に一気に気が抜けたメンバーは苦笑いをこぼした。
「それで?」
月森が先を促す。
織依は説明に面倒くさくなりながらも指一本立てて4人に説明を続ける。
「1日は24時間」
は?と織依以外の声がきれいに重なった。当たり前の事を予想外のところで言われたからだ。
それでもこの話から始めないと今から話すことを説明できない。
「まあ、普通はそうだろ」
「ですよねー」
花村が言ったことに千枝が腕を組み何度か頷く。
その言葉に織依はへらりと笑った。
「じゃあ、本当は24時間じゃないと言われたら……」
信じるかい?
その時織依は自分が初めて説明された時のことを思い出していた。
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