なんやかんやあって話し合いが終わった後、テレビの中へ入ることになった。
雪子は救出後一度もテレビの中に入っていなかったらしく、ならばついでに織依も一緒に行ってしまおうという考えであった。
「お礼に来たよクマくん」
雪子がそう言いクマを撫でている様子を織依はガン見していた。
頭と胴体の境目
チャックがある
アレを開けたら何が出てくるのか。
織依は開けたくてウズウズする右手を左手で押さえつけた。月森が怪訝そうな目で見てきたが当の本人は気にしていなかった。
クマは雪子に赤色の眼鏡を渡していた。手作りなんだとか。
「……何故眼鏡?」
「眼鏡をかけると霧が晴れて見えるんだ。」
「へぇ?」
ぼそりと呟いた言葉を月森が聞いていたらしい。
そうえばモヤモヤしているなぁとキョロキョロする織依を見る月森も眼鏡をしている。
「キミは誰クマ?」
クマが織依に気付き話しかける。
織依は「鴻崎織依」と簡潔に言ったつもりだった。
「鴻崎織依クマ」
一瞬シンっと静まり返った。
失態に気づいた織依は固まり、ほかのメンバーも何とも言えない表情をしている。いっそのこと笑ってくれた方が良かった。
「じゃあリエチャンクマね!」
クマはそんな空気をモノともせず普通に接する
「……ああ、うん」
織依がクマに救われた瞬間だった。
クマと握手をして軽く話した後、クマは手を後ろに回してごそごそとしだした。
「リエチャンにはこれクマ!」
クマが織依に眼鏡を渡す。
眼鏡を貰ってかけると、その瞬間霧が無くなった。
「おおう」
織依は感動した。
世の中にはこんなアイテムもあるのかと
そんな織依を差し置いて月森が提案する。
「じゃあ、鍛えに行くか」
「……は?」
織依はキョトンと月森を見る。
「鴻崎の実力も知りたいしな」
月森は最初から行く気満々だったのだ。
そんなことを織依は知らないわけで、
「行けないけど?」
と織依は言った。
利央の言葉に4人は何故だという表情で利央を見た。
利央はさも当たり前かのように
「そんなつもりで来てないから準備なんか全くしてない。」
行く気だったのなら最初に言ってくれと主張した。
「それもそうか」と月森
その日は顔合わせのみで解散となった。
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