織依が強いのかはなんやかんやで有耶無耶になってしまったが、最上階までメイド服という格好のうえ無傷で来たのだ。織依は強いのだろう。
と月森が自分を納得させようとする。
そして気になっていたことを聞きだした。
「そういえば鴻崎、あのメイド服は何だったんだ」
シャドウのことで盛りあがっていてすっかり忘れていたが、それは誰もが気になっていたことであった。
戦いに行くと分かっているのにメイド服。黒いワンピースに白いエプロン、白いヘッドセット。どこからどう見てもメイド服。
普通焦っていたとしても着てくる奴はいない。
まあ目の前にいるがな、と月森は遠い目をしながら返事を待っていた。
「あれ凄いよ。着ると防御力すごく上がった気がするし。気力が湧いてきてスキルを使うのに疲れが軽減された気がするし……」
みんなも着る?と言う織依の言葉にメンバーは一斉首を横に振った。
メイド服を着た自分のことを想像しかけた花村と月森は真顔になっていた。
「そ、そういえば武器は?」
ピストル持ってたよねと空気を変えようと千枝が新たな話題をふった。
最初こそピストル……?と不思議そうにしていた織依は何のことを言われたのかわかると「ああ、あれね」と言った後へらりと笑った。
「カッコイイでしょ?お世話になった先輩からもらった奴なんだ」
「カッコイイかはわからないけど腰に付けてたし、あれで戦うの?」
「え?弾なら入ってないけど?」
「え!?弾が入ってないてどういうこと!?」
「どういうことってそういうこと……」
と、ここで織依は気付いた。
召喚器は桐条製で、織依自身も貰ったものだ。安全な召喚をするための物であるため召喚器が無くても一応は召喚自体はできるのだ。
しかも月森達は違う方法で召喚しているらしく、それには召喚器は必要ないらしい……
その方法が安全なのかどうかは見てみないことにはわからないが、どうやら本人達の様子を見るには特に問題はなさそうである。
そんなことを知らない月森達はあのピストルは何のためにあるのか、どうやって武器を持たずに最上階まで来たのか気になるようで、
「ペルソナ召喚してシャドウを倒したのか?」
と月森に聞かれたが。
「ペルソナなら召喚してない。基本的に武器なくても戦えるし」
あったらあったで便利だけど今は持ってない
とまた彼らにとって予想外の事を言われ目を白黒させていた。
「まじかよ……」
花村が思わずポツリと漏らしたことで段々と楽しくなってきた織依はメンバーの様子を内心ニヤニヤしながらみていた。
「じゃあピストルは何で持ってるの?」
その問いに珍しくにこにこしながら答えた
「御守りみたいなものかな?」
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