「何かあったら気軽に話しかけて頂戴」
おばさん心配だわ……
そうこぼして心配そうに此方を伺う母の姉である叔母さん。
今日から私は一人暮らし。叔母さんの家にお世話になればいいと言われていたが、叔母さんの家は旅館で、忙しいのに私が手伝えないのは何だか申し訳なくて、結局一人暮らしを決意した。
「大丈夫です。前も寮で家事をしてましたから。」
家事云々は嘘ではない。寮の先輩に料理を教えてもらっていたのだから。
それでもやはり心配なのか、叔母さんは忘れ物は無いか、何かいるものは無いかと周りを見渡したりそわそわしたり。
その様子に少しだけ嬉しく思う。母親が居ればこんな感じだったのかもしれない。
「ありがとうございます。」
叔母さんはきょとんとした後、ふふっと笑った。
「当たり前のことよ。何かあればいつでも頼って頂戴。」
そう言って帰っていった叔母さんを見送って部屋に戻る。
さっきまで話し相手がいたからか、部屋の中はしんっと静かで、その静かさが逆に耳に痛いような感覚さえしてくるほど。
自分以外誰も居ない
そのことが寮とは違うのだと思い知らされ、少しだけ寂しさを覚えた。
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