「あれ?どうしたの?」
山崎が漆の部屋へ訪問すると漆は忍装束に着替えていた。
「知人がストーカー被害にあってるというので少しばかり見張ろうと思いまして……」
漆の背に刀はない。
「漆君、刀は持ってかないの?」
不思議に思った山崎が聞いたことに漆は装備を確認しながら返事をする。
「俺は真選組に所属はしていても雑用ですよ?それに、誤って殺しでもしたらそれこそ俺がお縄についてしまいますよ」
笑いながら振り向いた漆の格好は、この世界に来た時と全く同じものになっていた。
山崎は漆が戦国時代の忍であるのだと再確認するとともに、真選組のことを思っていてくれているのだと嬉しく思った。
「俺もついていこうか?」
「いえ、個人的な問題ですし、それに俺は戦忍なので大丈夫ですよ。」
「そっか。困ったらいつでも言いなよ」
山崎の自然と出てくる気遣いに漆は嬉しくなった。まるで大殿のように優しい人である。
「はい。行ってきます」
目の前にいた漆は一瞬にして姿を消した。
「やっぱり忍者だなー」
山崎は感嘆の声を上げ、ミントンのラケットを取りに部屋に戻った
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