「漆君、君は逃げなさい」
大殿はいつもの優しい顔で静かに言った。
「嫌です」
勿論大殿を置いていくわけにはいかない。戦で大将がやられようって時に忍が逃げてどうするのだ。
大殿は言う事をきかない子を相手にした時のような困った表情をした。
俺はそんな顔を大殿にはして欲しくなかったが、場合が場合である。
俺は自分でも珍しい失態を犯した
それが今現在取り返しのつかない状況へと発展してしまったのだ。
責任は、俺にあるのだ……
「私はね、君には生きていて欲しいんだよ」
「お断りします」
大殿はため息をついた後俺の頭をくしゃりと撫で、初めて厳しく言い放った
「漆君、これは命令だ。」
「 」
大殿の後ろに影が見えた
「大殿!!」
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