「先ほどは失礼しました。」


漆が謝ると目の前に居る青年は気にしていないと言った。
随分と心の広い人だと漆は思い、自分を拾ってくれたのが彼で良かったと感謝した。

「俺は世鬼漆。戦国の世で大殿、毛利元就公の忍でした。」
ここは天国ですか?地獄ですか?

驚きながらも青年は返事を返してくれた

「俺は山崎退。ここは天国でも地獄でもないよ。戦国時代か……」

山崎は唸る

「世鬼君、君は江戸を知らないよね」
「江戸、ですか?聞いたことありません」

漆の言葉に山崎は「よしっ!」と何かを決心したような声をあげた


「世鬼君。君がここで暮らせるように色々と教えてあげよう」