墓場 - deer

遺影がイェーイ

「おーみーくーん!!」

「帰って早々うるせえぞ!」

「まあまあ、お父さん血圧高いんだから」

「おい、伏見」

「そうだぜお父さん。コレステロールだって高いのにこれじゃあ今年の検診も真っ赤っかだな!」

「摂津テメェ...!」

「お父さん、身体には気を使ったほうがいい」

「兵頭もか...」

「それで、太一はどうしたんだ?」

「そうだったッス!臣くん!遺影を取って欲しいッス!」

「遺影?」

「まあ特におっさんは俺たちより早死にすっかもしれねえし、撮っといたほうがいいんじゃねえの?」

「先にお前を送ってやろうか」

「左京にぃ落ち着いて欲しいッスー!」

「大体遺影なんて言い出したのはお前だろうが!」

「血管切れたら死んじまう」

「あー怖え怖え。んで、太一は何で遺影が撮りてえんだよ」

「はいッス!今日エンディングノートってやつを考えたんすけど...」

「どんな授業だ」

「まあまあ、最近は色々ありますから」

「それで?」

「で、俺は何したいかなって思ったときに、秋組のみんなと写真が撮りたいって思ったッス!」

「だから遺影なのか?」

「遺影でイェーイ!って掛けてみたッス!」

「何一つ掛かってねえし縁起でもねえ。んなもん使わないに越したことねえだろ」

「俺たちに死んでほしくないってことか?」

「はーん、左京さんも可愛いとこあんじゃん」

「だからテメェはぶっ飛ばされてえのか!」

「万里もそのくらいにしとけ。左京さんも若くないんだから」

「臣くんフォローになってないッス!」

「まあ末っ子のお願いだし聞いてやろうぜお父さん」

「まだ続いてんのか」

「じゃあ監督先生も呼んでくるッス!」

「おい、なんであいつまで」

「みんな一緒で家族ッスからね!おーい!監督せんせー!」

「あ、おかえり太一君」

「ただいまッス!今から左京にぃの遺影撮影するから監督先生も一緒に入って欲しいッス!」

「勝手に殺すんじゃねえ!」

「え、左京さんどこか悪いんですか!?何でもっと早く言ってくれなかったんですか!?」

「見ろ!バカが信じたじゃねえか!」

「監督、お父さんは高血圧に高コレステロールそれに糖尿まで...」

「そんな...お葬式の紅白饅頭頼まないと...」

「待ってくれ監督、父さんはまだ死んでない。最後に一緒に写真を撮ってくれないか...」

「うん、これで最期なんだね...泣いちゃダメだよね。笑顔で送り出してあげないと」

「......テメェらいつまでふざけるつもりだ」

「よし撮るぞー。はい監督もっと左京さんに寄って、はいチーズ」

「臣くんありがとうッス!じゃあオレっちは紬さんに宿題教えてもらってくるッス!」

「太一、俺も一緒に行く」

「俺も幸と約束あったんだったわ」

「監督、夕飯の買い物がまだなら付き合うぞ?」

「本当?じゃあお願いしようかな」

「何だったんだこの茶番は...」

「左京にぃと監督先生のツーショット撮影成功ッスね!」

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