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タタタタ
タッタッタッタ
タッ……タッ……タッ
居ても立っても居られずにそこから走りだした窮鼠。
気づけば息を切らしながら、嫌な汗を拭うように走って逃げていた。
何に追われていたのかも、 分からずに。
タッタッタッタ
タッ……タッ……タッ
タッ
__ 大丈夫きっと大丈夫
__ 何も悪いことなんて起こらない
__ 誰も信じてなんかいないよ
__ 人は明日になったら忘れるから
慰めることも誤魔化すことも言い聞かせることも、傷口に呪い(まじない) をかけるみたいで虚しく思えた。
やがて船の発着する波止場にきた。バグパイプみたいな低い汽笛の音が、恍惚した鼓膜の機能ごと攫って、出航してゆく。
__ なんで逃げていたんだろう………
__ ……なんでここに?
滑稽さと、馬鹿らしさは夕陽へと縋るように手を伸ばす。
「くく、あははは、自分で自分の首を絞めたの……」
あの場で逃げ出すこと自体、認めているみたい。団長が好きだって
そうだよ。認めたんだよ。
自分の本能に従ったの。
__ “どうして?シャルナーク。
__ あれほど言ったじゃない。
__ ひどいわ、シャルナーク。
__ 面白半分なのね?
__ ダメね。きっともう、何もかも終わりなのね。“
無意味な自答、絶望は現実をはっきりと教えてくれるものだ。
身体を前後に押したり引いたり、繰り返す。頭の中で“どうして。何で。終わった。戻れない。“
と、延々と繰り返す。
泣き喚く子供をあやす、木馬のように揺れ動きながら。
知られたくなかった。
知ってしまった彼がどんな目で見てくるか、とてもとても怖かったから。
だけど、ほらね
あの人ってば
どんな目もしないの
彼の表情も態度も
知りたくなんかない。
なにも知りたくなんかなかった。
なにも
なにも
なのに
考えてしまう
もう終わったことなのに
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