閑話 棺の盗人
「矢張り、行動していたようですね。ポートマフィア」
本来ならば部屋の明かりを付けるべき時間にも関わらず、その部屋に明かりは付いていなかった。否、部屋の電球は破壊され、床にはその破片が散らばっていた。そしてそれと共に、一人の女が横たわっていた。女はその身を中心に血の池を作り出していることから、既に息がないことが見て取れる。此の場所でただ一人生きているのは、青白い肌をした紫の目の男だった。
「焚き付ける所までは良かったのですがねえ。少々のんびりとし過ぎたようです」
がじがじと指先の爪を噛むと、男は目的の無くなった家を後にした。
椿が家を出てから、12時間後のことであった。