任務

「任務?」

ここはイタリア。
我がボンゴレファミリーの本部でボスである我が弟の部屋で姉弟の時間を楽しんでいた時だった。
私と弟の家庭教師であるリボーンの言葉に耳を傾けた。

「そうだぞ」
「俺は何も聞いていないぞ…リボーン」

ボスである綱吉に相談なしにいきなり任務だといわれれば、さすがの温厚な弟もムッと来たようだ。

「ツナ、リボーンの話も聞いて」
「姉さん…」

綱吉に静止の声をかければまだ納得はしていないようだが、腰をソファーに下ろす。

「今回の任務は三雲、お前にだ」
「私?」
「ちょっ!!待てよリボーン!!なんで姉さんなんだ!!」
「守護者並の実力を持つ奴じゃないと務まらねぇんだ」

守護者…ボスである綱吉を護るため、天候の名をあ与えられた六人の者たちである。
大空であり、ボンゴレのボスである綱吉を護るため彼らの実力はそこら辺の一般人より遙に上だ。

「そんな危険な任務に行かせるわけ…」
「いいわよ」
「えっ!!??」
「何よ、ツナは私に仕事を与えないつもり?そんなの嫌よ」

ムッとした彼女の橙の瞳からは微かに怒りの炎が見える。
綱吉は必死に姉を宥める方に走った。
普段温厚な姉が怒るとザンザスが暴れるのとは比にならないくらいの損害を受ける。

「それで任務は?」
「潜入捜査になる」
「っ潜入って!?」
「ツナは黙りなさい」

いちいちオーバーリアクションの弟をばっさり切り捨てた彼女はリボーンに続きを促す。

「潜入先は黒の組織と呼ばれる国際的な大規模犯罪組織だ。
やっていることは暗殺や金銭・プログラムソフトの取引、薬品開発と様々だ…
行ってくれるか?」
「…」
「そんな危険なところに行かせるわけ「行くよ」えっ!!??」

「ツナ、私が行かないと他のファミリーが行くだけよ?
もし、失敗して死んでしまったら私は自分が許せないわ」

真っ直ぐに見つめてくる自分より明るいオレンジを見て綱吉も何も言えなくなった。
こう言ってはいけないが、彼女の強さはあの雲雀と同等だ。
他の家族に任せるより確かに姉に任せた方がいいとは分かっている。
だが綱吉もたった一人の姉弟を行かせたくはないのだ。
そんな心境を知ってか三雲は綱吉の手を握ってジッと見つめる。

「…分かったよ」
「ありがとう、ツナ」

「よし、ならば三雲この薬を飲め」
「これは?」

小さなカプセルをジッとみる四つの橙色の瞳。
リボーンはニッと笑う。

「小さくなる薬だ」
「ぐふっ!!」
「姉さん!?」

グッといきなり彼女の口に薬を突っ込みいきなり飲ませるリボーン。
全く荒っぽいことだ。