出会い

「透視能力を持った子供?」
「あぁ、とあるマフィアが人体実験を行い作ったらしい」
「…人体実験ですか」

そう話すのは銀髪の男ジンと、褐色の肌をもつバーボンと呼ばれる黒の組織の幹部に当たる二人だ。
二人は日本にある隠家でその話をしていた。
そこに興味深そうにスコッチとライと呼ばれる男たちも会話に入る。

「あ、聞いたことあるぞ」
「今裏社会じゃ有名だからな」
「…それでその子供を?」
「あぁ、今ベルモットが…」

そうジンが言葉をつづけた時、バンっと扉が開かれ金髪の女性が現れた。
その腕の中には栗色の髪をし、白いワンピースを着た幼い少女が抱かれていた。
ジン以外の三人は駆け寄るようにその少女を見に行く。
少女は寝ているようで、静かな寝息を立てて眠っている。

「任務成功だな」
「私がしくじるはずないでしょ?…バーボン」
「なんです?」

少女を見ていたバーボンはベルモットを見る。
そんなバーボンに彼女は少女を渡す。

「え…?」
「腕が痛いの持ってて」

バーボンはベルモットから受け取り、腕の中で眠る少女を困惑気味に見ていたが、スヤスヤ眠るその姿にほっこりしていた。

「ん」
「あ…」
「起きたか?」

身じろいだ少女をのぞき込むバーボンとスコッチとライ。
そして少女の瞼は開かれた。

「「「!!!」」」

いきなり男性の顔があったことに驚き固まる少女。
そんな少女を見て三人は「カワイイ」と思っていた。
橙の瞳はあたりをキョロっと見渡し、ベルモット、ジン、ライ、スコッチ、バーボンの順番にまるで記憶するかのように一人一人を見ていく。

「初めまして、僕はバーボン、よろしく」
「俺はスコッチだ」
「ライだ」

「私は三雲」

「あ、ボスから連絡よ」
「お前ら三人とそのガキ一緒に住めとよ」
「「えっ!?」」
「……」
「?」

「「えぇぇえぇぇええええ!!!!???」」


これが四人の出会った話である。