これは降谷がまだ赤井秀一の死亡を疑っていた時期…。
「え?赤井秀一をですか?」
そう言葉をこぼすのは、最近ファミリーの一員となった降谷零だった。そんな彼の目の前には小さな…そう小学一年生の少年が降谷の入れたコーヒー(エクスプレッソ)を飲んでそう言葉を発する。
リボーンは見た目は子供だが、中身はれっきとした…しかも成人済みの大人で、呪いにより赤ん坊になっていたそうだが、その呪いも解け、現在成長中で小学校に通っているとのこと(最近帝丹小学校に転校したらしい)。
場所は降谷と三雲のマンションの一室だ。彼女は表での仕事にしぶしぶ愚痴を言いながら天野に連れられ出ていっている。
「そうだぞ」
「…またなんで…というかそれは三雲に任せた方が早いのでは?」
「お前は普段頭いいのに…バカか」
「バッ…ゴホン、内容も詳しく聞かされていないのに…いくらリボーンさんでも怒りますよ」
リボーンは降谷の言葉にバサッと書類を机の上に出す。
「…これは?」
視線を書類からリボーンに向ければ、彼は顎で見ろという。書類を見ていけば、"降谷零は信用ならない"、"婚約は解消すべきだ"といった内容の書かれた紙だった。紙の内容を見てリボーンに目を向ければ彼はやれやれというように頭を振る。
「降谷に対してのファミリー内部の意見だ。勿論祝福の言葉もあるが、三雲はいわばボスの片割れのような存在だ。
ツナと同じ位にいる彼女の婚約者が、日本の公安警察…ましてや潜入中の男…信じきれないらしい。特にまだ入ったばっかりだったり、心配性の奴らはこうして書類としてお前に渡すように本部から送ってきた」
「…成程、今回の件を成功させれば、ファミリーからの信用が多少なりとも得られると…そういうことですか」
降谷の言葉にリボーンはニヤリと笑みを浮かべる。
それに納得した降谷は思案する。
おそらく三雲自身は赤井秀一の存在を確認しているだろう。ただそれを決定づける証拠がないのだろう…これは久々に楽しいものになりそうだ。
そう考えながら笑みを浮かべる降谷にリボーンも笑みを浮かべた。
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これの発端は数日前…
ボンゴレ内での会議で山本がボソッといった言葉が原因だった。
「各組織との連携ね…ん?そういや、FBIに誰か潜入させってんの?」
「あ"?そんなのさせt…………いや、今潜入させてないな…雲雀お前の所は?」
「させてないよ、つかさせるわけないし、俺は日本しか興味ない」
「流石雲雀恭弥…私の所もですよね?クローム」
「はい、骸さま…」
「…門外顧問もさせてないぞ…」
「「「…………」」」
山本から始まり、獄寺、雲雀、骸、クローム、ラルの言葉で会議室には沈黙が降り立った。ツナも三雲も無言だ。なんとも言えない空気が二人から出ている。基本各組織にパイプ役となる人物が一人は配属させられているのだ。それは門外顧問だったり、ファミリーの一人だったり内部の者と様々だ。
そして全員が画面に映る初音ミクに似た己たちのIAに視線を向ける。
【…現在ボンゴレヴァリアーを含む各組織…FBIに潜入している者、または内通者はいません】
この言葉に全員が頭を抱えた。
そして静かにコーヒーを飲んでいたリボーンから黒いオーラが飛んでくる。
「おい、へなちょこツナ」
「ひっ!!」
「お前何やってんだよ!!」
「ひぃいいい!!」
その言葉と共に銃が放たれ綱吉は寸前で避ける。
ドンパチやりだした師弟を三雲は完全スルーして話を進める。話に集中できていないのは獄寺のみだ。
「…今から潜入させてもな…」
「だれかFBIの知り合いいないのか?」
「…あ」
「三雲様いるの?」
クロームのその言葉に彼女は苦笑をこぼしながら頷く。
「ただね、彼一応表向きでは死んだことになってたはずなのよね…」
「……黒の組織潜入捜査官は偽装の死を選ぶのが多いな」
「ハハハ…仰る通りで…」
全員のお茶出しをしていた天野はラルの言葉に苦笑をこぼす。そして天野にも彼女のいう人物が誰の事なのか分かっていた。
「三雲、そいつは赤井秀一か?」
「…えぇ」
「生きていることは確かなんだな…」
「リボーン?」
「OKだ、この件に関しては俺の方に任せてくれ」
そう言ったリボーンは口角を上げ、ニヤリと笑っていた。
そして任務は降谷へと引き継がれたのだ。
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