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くまと別れて、シャルが自室に戻るとローが丁度目を覚ましたようで、あたりを不思議そうに見渡していた。

「起きたんだ」
「!!シャルっコラさんは!?コラさんは無事なんだろ!?」
「…落ち着きな、話はそれから」

見知った人物を見つけて、コラソンの安否を気にしてローはベットから出ようとするが、瞬時に彼女に戻るように促された。今持ってきたばっかりの水をローに差し出し、飲むように促せばローはコクリ…コクリと音を立てる音が部屋に響く。その時ガコン!!と何かが音を立て、甲板が少し騒がしくなる。
そしてここ半年体験していた揺れが蘇る。

「ここは船…なのか?」
「そう、ここは父の船の私の自室」

そう言われローは部屋を興味深そうに見る。
部屋にはベットと机、椅子、それと本棚と衣装棚、それに良く分からない瓶たちが並ぶ棚が一つあった。
とても女の子が住んでいるというような部屋ではなかった。

「コラさんは無事よ」
「!!」
「ただまだ目は覚ましていないようだけどね」

シャルはそう言ってローに顔に手を当てる。

「どうした?」
「…これからどうするの?」

ローはその言葉を聞いてぐっと口を紡ぐ。

「…俺は、コラさんから渡された密書の入ったカプセルを…ドフラミンゴの部下に、渡してしまった…」
「…」
「お俺のせいだ…コラさんが救うはずだった国を…」

「…それは本当か?」
「っ!!」

突如聞こえた声にローは口をつぐみ、声の聞こえたほうに目を向ける。
そこには左頬にダイヤに入れ墨を入れた男が立っていた。
ローは小さく「誰?」とつぶやく。

「父さん、部屋に入るときはノックして」
「そんなことせんでもお前は気づくだろう」
「たっく…ローこの人が私の父、ドラゴンよ」

そう紹介されたドラゴンはローが寝ているベットに近づいてくる。
黒髪はシャルと同じだが瞳の色は全く違う。というか、似てない。

「君がトラファルガー医師の息子…ローか…よく生きてくれた」

そういってポンと頭に手をのせるドラゴンにローはなんだか懐かしい気がして思わず、布団の中に隠れてしまう。

「??」
「あー父さん気にしないで」

困惑しているドラゴンの服をくいっと引っ張れば「そ、そうか」と困惑気味の返事が返ってくる。

「で?何しに?」
「あぁ。これから彼らの処置を考えようと…お前の意見と彼の意見を聞きに来たのだ」

そう言ってドラゴンは彼女の部屋の椅子に座る。#syura#はベットに座る。

「そうだね…私は彼らをこの組織に入れた方がいいと思う」
「ほぅ…それは何故だ?」
「少なくともドフラミンゴの下には二人共戻れないでしょう?」

そう言ってローを見れは、こくりと頷く。ドフラミンゴも狙っていたオペオペの実。ローは生かしてもコラソンに関しては奴は裏切り者として殺すだろう。

「海軍にしてもそうだ…。
コラさんは海軍も狙っていたオペオペの実をローに食べさせた。
盗んだのは私だけど…コラさんの遺体がない限り、彼らはコラさんを裏切り者として追うでしょう?」
「………」
「知らない島に行ったとして、気質には戻れたとしても、ドフラミンゴ、海軍相手をするのは骨が折れる…。
必ず賞金首として世界に知られるわ。
ならば選択は二つ、海賊となるか、私たちの組織に入るか」

#syura#がそう言って指を2本立てる。
ドラゴンは彼女の意見に頷く。

「それは私も考えていた……。
ロー君はどうする?」

ドラゴンはそう言ってローをみる。
ローはゴクリと喉を鳴らす。

「お、俺は……………」