あの女が黒だということは女以外の全仲間に伝えらえた。ただ京子とハルとランボなどの嘘の付けない者に関しては常に誰かが傍にいることや、任務で必要以上接触しないように対策をすることになった。
そして一番の問題は夜の営みだ。これに関しては捜査官であった降谷と天野に綱吉は指示を仰ぐ。
彼らの意見として霧の幻影で綱吉に化けた男をあてがうことにする。勿論子を作るための行為の為スキンはつけない。また一人の男が行くと愛着がわく可能性があるため男は常に日替わり。しかも適当な町から連れてきたホストの男たちにすることになった。
これを聞いたその場にいた女性陣…三雲と京子、クロームは引きつった顔をしていたとか…。
「まさか…こんなことしてたの?」
「まぁ…幻術は使えないからね、睡眠薬を飲ませてキスマークでもつけておけば勝手に勘違いしてくれるのさ。それで勘違いした女が勝手に話してくれる」
「………」
「ついでに言えば、俺はお前しか抱いたことないぞ…」
「……うれしいのかよくわかんない(あれ初めてだったの?)」
「そこは喜べよ」
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そして月日は流れ数か月…とうとうアタシのお腹の中に彼の子供が宿った。毎晩飽きることなく綱吉にお腹の中一杯になるまで精子を流してもらって…本当に幸せ。
アタシはまだぺったんこなお腹をさすればなんだかあったかくてとても幸せな気持ちになれた。
でも…何故かしら、綱吉は子が宿った瞬間興味が失せたようにアタシの部屋に入ることがなくなった。日中は確かに常に正妻である京子の傍にいることが多かったけど、夜は必ず来てくれた…なのに…。
窓から子供の笑い声が聞こえる。そこを見れば、綺麗なハニーブラウンの髪を風になびかせながら、夫である透さんと共に我が子と花で遊んでいるあの女の姿があった。さらにそこに黒のマントを翻し、女と同じ髪色をした綱吉に綱吉の腕に抱かれたあの憎き女がいた。女の腹は大きくなり、そこにはこの腹の子と同じあの人の子が…。
憎い、憎い、憎イ、にくイ、にクイ、ニクイ、ニクイ、憎い、憎い………。
何故何故何故?アタシのお腹にもアノ女と同じ命が宿っているのに…。
五人で笑いあっている中、外部から松田が萩原の案内の元やってくる。二人も楽しそうに笑うあの子供に笑みを浮かべていた。
何でなんでナンでナンデナンデ!!!???あそこで笑っているのは、愛されるのはアタシのはずよ!!!邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔!!!!!
あぁ…初めから奪おうと考えるのがダメだったんだ…殺して奪わないと…ここにいる全員に愛されるのはアタシよ…。
「殺してやるわ…」
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「動き出したようですね…。全ファミリーに次ぐ。あの女が動き出した。狙いは三雲、蒼空、京子とその中の子だ。十分な警戒をせよ」
降谷と三雲、綱吉は己等に向けて放たれる殺気にいち早く気づき、降谷がインカムで全員に指示をする。そうすれば微かだが、屋敷全体がピリッとした空気が放たれる。三雲はレートの匣を開き、その背中に蒼空を乗せる。
「母さん?」
「蒼空、今から貴方はザンザスおじちゃんの所に行ってきなさい」
「うん!!」
ザンザスのことが好きな蒼空は嬉しそうに返事をする。レートはジッと三雲と降谷を見る。
「お前も行くんだ」
降谷はそう言ってマフデトを己の匣から出す。マフデトはミャゥと鳴いて降谷にすり寄った後、レートのもとに行く。本部より明らかに戦闘能力の高いヴァリアーがいるところの方がとても安全だと知っているため、二人は躊躇なくザンザスのもとに己たちの子供を渡す。それにあそこの人間はなんだかんだ蒼空のことが可愛くて仕方がないようで、とても可愛がってくれる。
マフデトとレートは頷きあい、一瞬にして駆けていく。それを見送れば三雲はホッとした表情をし、逆に降谷は少し心配そうだった。
「じゃ俺が蒼空の代わりになるな♪」
そう言ってニヤリと笑うのは最強のヒットマンリボーンだ。勿論それは却下された。
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「本当に何なのよっ!!!」
ダンっと床を強く踏みつけるのは理由があった。実家のお父様の方に連絡すれば、なんと殆どボンゴレからの待遇が変わることなく、また他のマフィアからもいまだ下に見られているという。「本当に身ごもったのか!!?」と父親からは怒鳴られる始末。でもアタシの作戦を伝えれば快く了解してくれた。アタシのファミリーの最も強いメンバーを送るという。
運よくボンゴレ本部とヴァリアーの本部は離れている為、奇襲に合えばすぐにはこちらに駆け付けることはできない。父と部屋の中で己たちにしかわからない暗号で話し合えば、もし聞かれていたとしても大丈夫。
決行は今夜。
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夜が深くなってきた頃、ソッととある部屋の扉が開かれる。扉を開いたものはベットで寝息を立てている女の腹もとに刃を刺す。だが、女の姿は霧となって拡散してしまう。驚きに後ろを振り返った男が見たモノはこの世とは言えない地獄の旅だった。
「なんで!!!?」
バンッっと机を強く叩く。たった今父の側近をしていた者から、屋敷がボンゴレに襲われたと連絡があった。
ありえない…だって今日決行するなんてアタシたちの言葉でしか話していない。
「残念でしたね、作戦がおじゃんになってしまって」
そう声が聞こえ、後ろを振り向けば褐色の肌をした男が立っていた。
「透さん…なんの話ですか」
「おや?あなたが良くご存じでしょう?」
一体何なのこの男…リボーンの原作にも出てきていないのに…
「…一体何者なのよ」
「僕?否、俺と言った方がいいか。そうだな…黒の組織に潜入していた日本警察警察庁警備局公安課降谷零という」
透さんの言ったとあるキーワードに聞き覚えがあった。
「なんで日本警察なんか……それに黒の組織ってコナン…じゃない」
そう言った瞬間男の目が一気に冷たいモノになった。その時己が思ったことを口にしていたと気づいた。
「ほぉ…コナンくんのことを知っていたのか…ならば貴女の辿る道は一つだ」
「な、っアタシのお腹の中には、綱吉のっボスの子がいるのよ!!?」
アタシがそう言えば男はおかしそうに笑う。なに、なんで笑うのよ…この子は綱吉の…
「それが本当に綱吉くんの子だと思っているのかい?」
「そ、そうよ!!」
「だそうだよ?」
そう言って男が振り返ればそこには額にオレンジの炎を灯した綱吉がいた。綱吉の傍には山本、獄寺、そしてあの憎い女がいた。
「綱吉!!」
そう言って駆け寄ろうとすれば、アタシの付き人だったスコッチが銃を構えこちらを見てくる。訳が分からない…どうして…なんで?
「悪いが、その腹の中にいる子供は俺の子ではない」
その言葉にアタシは何が何なのか訳が分からなくなってきた。それを丁寧に説明してくれたのは褐色の肌をもつ男だった。その話は信じられないことばかりだった。アタシの中にいるのは…綱吉の子供ではなく、みしらぬ男の子供?嘘よ…
「毎晩抱き方が違うなど違和感はありませんでしたか?」
そう言われ思い当たる節がいくつもあった。でもそれはアタシを飽きさせないためのものであって…確かにアタシの知っている原作の綱吉ならきっと…きっと…
「あぁぁぁあああああぁぁああ!!!!」
女は髪を振り回しながら近くにあった銃を使って発砲してきた。
「吠えろナッツ」
[グルゥウガアァァアアア!!]
綱吉のアニマル匣の大空ライオンの吠えにより、銃の弾はただの石となり、刀を持っていた山本に撃ち落される。女は銃を捨てるとすぐさま短剣に持ち替えこちらに走ってくる。綱吉はナッツを形態変化させるとそのマントで京子を覆うように隠す。
ーパシュッ!!
どこからか聞こえたライフルの音に女は倒れこむ。彼女の炎により、血が砂となって消えていく。ライフルの音の発信源を見れば、そこには白いライフルでこちらを見ている三雲とその師匠であるリボーンの姿があった。
こうして女と女のファミリーは一夜にしてボンゴレに闇へと葬られたのだ。
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暗い暗い闇の中…黒い烏がいた。その正面には己の人生を終えた女が死んだままの姿でいた。
「…何でよっ!!なんでアタシは…っ契約したじゃないっ!!アタシをっ」
[フフフ…えぇそうですよ、貴女が私に願った願いは”この世界に行きたい、愛されたい”でしょう?]
「えぇそうよ!!なのにっあの人たちに、あの世界に愛されなかったっ!!!」
[おや?愛されていたでしょう?]
「え…」
[父に、母に…貴女の仲間に…それを裏切り、全員を道連れにしたのは貴女ですよ?それに邪な考えさえ持たなければ貴女は愛されていたのかもしれませんよ?]
黒い烏は赤い瞳を細め、絶望に伏せる魂に笑みを浮かべる。
[さぁ契約は契約です…貴女の魂をいただきますよ]
「ま、待って」
[待ちません]
烏はくちばしを大きく開け、哀れな魂を喰らう。
[フフフ…死神の眼を持つ女…本当に面白いですね…おっとまた私を呼ぶモノがいますね…さぁ今度はどんな味の魂でしょう]
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