SSS
▼短いやつはここ。
▼気に入ったら短編にするかもしれない。
▼ここの更新はメモには書きません。
同田貫
「お前達は、守る為の存在なんだよ」
主はそう言った。よく分からない。
「俺たちは鎧じゃねえ、武器なんだ。強けりゃそれでいいし、同田貫正国は強さの象徴だ」
「なるほど」
たしかにな、と頷いた主は、ただ、と続ける。
「お前達を顕現したのは、歴史を守る為だ。どれだけ鋭い刃でも、振るうその腕は守る為に存在している」
お前のその体も、大切なものを守る為に使うんだよ。
主はそう言ったが、どうにもピンと来なくて頭を掻いた。
「なあ。使う側ってのは、そうやってごちゃごちゃ考えないといけねーのか」
クスリと笑った主は「まあ、なんだ。主は私なんだ。お前は強ければいいよ」と言った。
なんだよ、俺が言った通りじゃねえか。
巴形薙刀
初めて顕現された。
初めて息をした。
初めて己を手に取った。
初めて主を得た。
初めて、俺になった。
蜻蛉切
彼の丁寧な、けれど芯の通った立ち振る舞いや言葉に触れると、背筋が伸びた。
ピン、と糸を張ったような気持ちになる。けれどそれは刺々しく己を苛むような緊張感とは異なり、どこか爽やかなものだった。
同田貫
男主
「たぬたぬ」
「だからその呼び方で呼ぶなって」
「好きに呼べって言ってただろ」
「そう呼ばれると知ってたら言わなかったっつうの」
?
やはり野に置け蓮華草
(やはりのにおけれんげそう)
蓮華の花が美しいのは自然の中で咲いているからであって、家に持ち帰ったらその良さが失われる。どんな物にも、それにふさわしい場所があるものだということ。
?
焼き餅焼くとも手を焼くな
(やきもちやくともてをやくな)
嫉妬も過ぎれば災いの種となるから、ほどほどにした方がよいということ。「焼き餅」は身を焦がすの洒落しゃれで、男女間の嫉妬を言う。「手を焼く」は処置に困るの意。嫉妬はしても過度の嫉妬は慎めと、焼き餅焼き(嫉妬深い人)を戒める。
澤村大地
今日は日直
もし私が幼馴染みで、バレー部だったら、毎日一緒に居られるのかなあ。
そう愚痴ると、澤村は日直日誌を書きながら「おー、ちゃんとそれスガに言えよー」と視線も寄越さず言った。すでに欄の大半は埋まっているのになあ。
「いや、菅原には言ったよ」
「うわ勇気あるな。スガは何て?」
「大地にそれ言ってみたら?だって」
あーあ、と零すとバツの悪そうな顔で澤村が私を見る。
「あー、ええと、ご愁傷さま……?」
「ほんとだね。菅原のアドバイスは当てにならない」
菅原のせいにして、ため息をついた。
「え?」
「日誌ありがと。出してくる」
明日も日直なら良いのになあ。
清水潔子
男主
「ねえねえ清水さん、俺って可愛いかな?」
「え?ええと、どうだろ」
「じゃあ、かっこいい?」
「可愛いよりは、かっこいいの方じゃない?」
「へへ…」